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フランスの異邦人
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フランスの異邦人

林瑞枝(著者)

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フランスの異邦人

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 1984/01/23
JAN 9784121007162

フランスの異邦人

¥110

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2015/11/14

緊急レビュー。 30年以上前に書かれた本だが、現在のパリの状況を思考するために有益な文献なのでここに紹介しておく。 フランスは多様な人の移動によって形成された社会でありながら、人種主義の亡霊に悩まされ続けている。 「自由、平等、博愛」といった抽象的な理念は、外から見るかぎり社会の...

緊急レビュー。 30年以上前に書かれた本だが、現在のパリの状況を思考するために有益な文献なのでここに紹介しておく。 フランスは多様な人の移動によって形成された社会でありながら、人種主義の亡霊に悩まされ続けている。 「自由、平等、博愛」といった抽象的な理念は、外から見るかぎり社会の分断を見えにくくしていたが、現実には、労働市場も教育の現場も人種によってはっきりと色分けされていて、社会的なモビリティーは極めて限られている。 外から脅威が入ってきた、というのではなく、危機は内部で醸成されてきたのだ。 今後の展開としては、社会の寛容さの大部分が失われ、敵が名指しされ、セキュリティーに対する懐疑的な言説はすべて排除されていくことだろう。 「寛容は自らの寛容さを守るために、不寛容に対して不寛容になるべきか」と戦後の日本社会に問いかけたのは、フランス文学者の渡辺一夫であった。 単純化、図式化に抗する強靭な想像力をこそ、蓄えておかなくては。

Posted by ブクログ

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