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山のぼりおり
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 山と溪谷社 |
| 発売年月日 | 2008/04/05 |
| JAN | 9784635171748 |
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山のぼりおり
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商品レビュー
3.2
6件のお客様レビュー
作者が山小屋の主人や山で出会ったひとたちに教えてもらった知識や考え方には、ためになることが多かったです。
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20130508 山の説明が無い山行記。言葉だけて風景が伝わって来るのがすごい。行ったことのある山はもちろん無い山も行ってみたくなった。
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『ざぶんとしつかり目をつぶり、あたたかい頬にもどるころ、ガラス戸ごしにしくしくと聞こえた。お母さんは勢いよく風呂から出て、ぱあと戸を開く。なきべそが、立っていた』ー『孝雄山稜・景信山』 抜き取られた言葉がそこには確かにある。しかしその足りなさが読むものの意識をより文章に惹きつけ...
『ざぶんとしつかり目をつぶり、あたたかい頬にもどるころ、ガラス戸ごしにしくしくと聞こえた。お母さんは勢いよく風呂から出て、ぱあと戸を開く。なきべそが、立っていた』ー『孝雄山稜・景信山』 抜き取られた言葉がそこには確かにある。しかしその足りなさが読むものの意識をより文章に惹きつけ、言葉に頼り切らない伝心というものを成り立たせる。石田千とはそういう作家なのだ。特にフィクションとエッセイの中間のような文章をものにするとき、恐らく石田千の神髄は最もよく発揮されるだろう。そんな文章を読んでいると、作家の感情が風景に溶け込み、現実という軸から少しずれた存在にフォーカスが移動するのを感じる。それはそれでとても面白い。一方で、この「山のぼりおり」のようなもう少し地に足の着いた感じのするエッセイの石田千も自分はすきなのである。 解り易さ、ということも、もちろんある。けれど「月と菓子パン」や「平日」の石田千もそうだったように、一見淡々と情景を描写しているようでありながら心の深い所に響く文章というのはそうそう味わえないように思う。それを感じることができるのが、自分にとっての石田千の魅力なのだ。 とはいえ、この本の石田千はこれまで読んだことの無いような石田千でもある。無邪気な自意識が少し強く出ているように思うのだ。どこか上気したような気分が全編を貫く。ああ珍しい、何故そんなに浮き浮きとしているのだろう。その感慨は中盤に収められた坂本真典の写真に写る著者の姿を見るに至って、なお強くなる。 恐らく、それはへとへとになるまで酷使される身体の動きに引きずられるようにして湧き上がる気分なのだな、と落ち着いて考えてみてようやく解る。重い荷物、重力エネルギーとの交換を常に強いられる筋肉。のぼりも、くだりも。息はあがり、鼓動は早くなり、血流は激しくなる。それは単に手や足や背中やお尻の運動機能を行使しているのではない。その動きは、動け、という脳の指示と、負荷を感じ取った筋肉が脳に送って返すフィードバックという神経の動きも活発にさせ、ひいては脳に休む暇を与えない程にアドレナリンを放出する。それは気分をハイにする。 しかし、山頂を下り宿で温泉に浸かり筋肉が弛緩してくると、脳は信号の遣り取りに対する感度をあげたままでアイドル状態を強いられ、ちいさな感情の波に敏感になる。小さな出来事が大きく響く。そんな状況で発揮される石田千の言葉の力。書かれている事実を前景とするならば、言葉の尽くされていない背景も立ち上がる。ふうっとそちら側へ行ってしまいそうになる。すると、丁寧に言葉が尽くされてきた筈の事実は色彩を失ったかのように感じられる。輪郭抜きの出来事だけが、チェシャ猫のようにそこに残る。
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