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彷徨記 狂気を担って
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彷徨記 狂気を担って

西丸四方(著者)

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彷徨記 狂気を担って

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 批評社
発売年月日 1991/04/01
JAN 9784826501262

彷徨記 狂気を担って

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商品レビュー

4.5

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2011/10/14
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       -20090630 母が島崎藤村と姪・叔父にあり、「夜明け前」の主人公青山半蔵のモデル藤村の父・島崎正樹が曾祖父にあたるという、精神科医西丸四方(1910-2002)の自伝的エッセイ。 平明で衒いのない語り口が、著者自身の人間性をよく表し、愉しく読ませてくれる。 とりわけ後半部、「都落ち」「心に残る病人たち」など、活写ぶりは際立ち、そのときどきの対象が鮮明に浮かび上がってくるのがいい。 -以下は本書からのMEMO 「志向的作用は意識野の中心に分凝、セグレゲ-ト(セ=分かれて、グレクス=群)されており、意識野の中心のまわりに、離れて、ひとりでに浮かぶ作用がよく分凝せずにあるのが正常で、統覚されていてもそれに関連した淡い表象がひょいひょいと出てくるものである。幻覚の場合には統覚が弱まり、まわりの淡い表象がはっきりしてきて、これがひとりでに、自動的に浮かび上がる表象ないし観念となる。すなわち意識の場で中心の統覚されたものの分凝が弱まり、周辺の淡かるべきものの分凝がはっきりきわ立ってくる。」   -再び東大で-の章より 「人間は時間的存在であるとともに空間的存在でもあるから、躁病の人の空間は拡大しており、うつ病の人の空間は縮小しているといえば、前者の跳躍、奔逸する症状は了解でき、後者の萎縮退嬰的した世界は了解できる。強迫を持つ人の世界は狭い円環で、その中をぐるぐる廻って前進がない。分裂病の人は非ユ-クリッド世界に住む。平行線に関係したことを持出せば我々と病人は通じ合えない。三角形を持出せば一応通じ合えるが、全く合うことはなく、方々でずれがある。我々の世界をユ-クリッド的として、ポアンカレ的に非ユ-クリッド世界を図示すると、我々の世界から見ると非ユ-クリッド的、分裂病的世界は小さく局限されている。実存分析者のいう世界の狭まりというときには、どうしても空間的に表象しなければならない。分裂病の人はユ-クリッド世界の中に非ユ-クリッド世界を作っている存在であるというと、アナロジ-であるが、常識的人間たちの中にあって、人間として不可能であるような存在の仕方をする存在であるといえば、実存分析的に聞こえる。」  -都落ち-の章より 「ニルヴァナ-涅槃-、これは悟りの境地というよりも、生命の蝋燭の火がふっと消えたようなものであり、<ニルヴァナ>とは吹き消すことであるが、煩悩の火を吹き消して悟りの境地に達するというようなものでもなく、煩悩も悟りも何もない、荘子のいう無の無の無である。」 -死に損なって-の章より 「ビンスワ-ガ-は、30年代になってから精神分析とハイデッガ-の現存材は世界内存在だというのを精神病に応用した。私はこのやり方はユクスキュルの動物の環界内存在を人間に応用する方が容易でおもしろいと思っていた。」 -死に損なって-の章より 「精神医学の道を辿って50年あまり、迷い、つまずきながらやっと辿り着いたところは元のままであったという気がする。精神医学はイデオロギ-の学問のように見え、ドイツイデオロギ-とアメリカイデオロギ-、クレペリンイデオロギ-とマイヤ-=フロイトイデオロギ-の交代である。政治の方ならばマルクスイデオロギ-と西欧イデオロギ-の交代のようなものであろう。」  -死に損なって-の章より

Posted by ブクログ

2011/02/16

基本、バイブル、何度も手繰る。 亡くなられたのが残念。 この本のおかげで、不潔恐怖症を大いに学んだ。 ありがとう。しかし、なにゆえ4角オトシ? アーティスト草間弥生を、世に送る後押しをした御人として知られる。

Posted by ブクログ

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