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封建主義者かく語りき 双葉文庫
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封建主義者かく語りき 双葉文庫

呉智英(著者)

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封建主義者かく語りき 双葉文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 双葉社
発売年月日 1996/07/05
JAN 9784575710779

封建主義者かく語りき

¥220

商品レビュー

3.9

8件のお客様レビュー

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2017/11/12
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※このレビューにはネタバレを含みます

「封建主義」という言葉には、目上の人間が目下の人間の言う事を無視する、といった漠然とした何かはあるがその実極めて曖昧である。 それは、封建時代が終わった後に、次の時代を担わんとする民主主義者が、封建主義全般をひっくるめた雰囲気の名称として言い出したためであり、つまり封建主義は民主主義のネガといえる。 民主主義…キリスト教から生まれ無政府共産を志向(神により迷える子羊がまとめられる) 封建主義…鼓腹撃壌を志向(腹をぼこぼこと叩き地面をとんとん打ったりして、帝とはなんぞやと言う) どちらが現実的か 民主主義…主婦。ふしだらな印象。大正に造語された際は極めて誇り高い言葉だった。それは武士の妻を連想させるから。今は主婦の大半が生産点ではなく生活点しか持たないため、緊張感がない。 封建主義…武士の妻。凛とした印象。彼女たちも生産点を持っていなかったが、非日常的な死をも夫と共有する封建主義的倫理を持っていた。 資本主義/民主主義…効率主義。平等という言葉がどれほどの盲人を救ったのか。 封建主義…「礼」があるため障碍者でも十分に保護される。「メクラ騙せば7代たたるぞ」など。差別を助長するが、盲人の虐げを防ぎ、人々の心情を豊かにする。 封建主義…身分の固定を意味しない。「分」という言葉がある。一視同仁の平等思想

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2014/04/29

封建主義の復権を説く著者の立場が縦横に語られている本です。 「封建主義」とは、「民主主義」の対概念としか理解されていないと著者は嘆きます。民主主義とは、「自由と平等を目標とする、人民の人民による人民のための政治」のことを意味します。一方著者の擁護する封建主義は、人民のための政治...

封建主義の復権を説く著者の立場が縦横に語られている本です。 「封建主義」とは、「民主主義」の対概念としか理解されていないと著者は嘆きます。民主主義とは、「自由と平等を目標とする、人民の人民による人民のための政治」のことを意味します。一方著者の擁護する封建主義は、人民のための政治であり、有能な人民の力をそれぞれに発揮しうる人民による政治であるという点では民主主義と同じ理想を同じくします。しかし封建主義は、政治を人民のものではなく、神のもの、ないし天のものとする点で、民主主義とは異なっています。 著者は、政治が人民のものだとする民主主義を求める心性は、住人によって住人のために運営できるなら十分であるにも関わらず持ち家を欲しがる「気分」にすぎないと言い、こうした心性が民主主義の堕落を生み出す淵源となっていると批判しています。 著者の提唱する「封建主義」の中身については、まだよく分からないことが多いのですが、市民社会的な人権意識に対する個別的な批判は納得できるところが多いと感じました。

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2012/01/16

封建主義者という、一見乱暴な思想と思える風ではあるタイトル。 これが今でも新しい。 まず、封建時代に対するネガティブなイメージを払拭するいくつかの例をあげて、民主主義の持つ不安定さを露呈させる。 それから、封建体制というフィルターを通すことで、民主主義や人権論者の持つ欺瞞を露呈さ...

封建主義者という、一見乱暴な思想と思える風ではあるタイトル。 これが今でも新しい。 まず、封建時代に対するネガティブなイメージを払拭するいくつかの例をあげて、民主主義の持つ不安定さを露呈させる。 それから、封建体制というフィルターを通すことで、民主主義や人権論者の持つ欺瞞を露呈させるなど、非常に気持ちよくこの混沌とした世の中の根本を語ります。 この本のすばらしさは、一見乱暴な思想書のタイトルでありながらも、きちんと社会システムに対する具体的な提言になっていること。 民主主義の欺瞞を疑わないことは、思考停止に陥っていることで、ファシズムとなんら変わらないという主張には、目からウロコ! 読書後、民主主義のよくないところは、人の心が空虚になるのではないか?という感想が残った。 封建時代、君主たるべき者は帝王学を学び、徳を積んだ。 平等で自由は、モラルハザードの暴走につながるだけではないかと思う。 自由と平等が形骸化し、その意味についてすら考えない時代が来るかもしれない。 そうなったとき、世の中は大変なことになるかもしれないなと、ひとり恐怖しました。

Posted by ブクログ

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