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総力戦 ザ・ミステリ・コレクション
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 二見書房 |
発売年月日 | 2001/09/25 |
JAN | 9784576010991 |
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総力戦
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
元英国国防省に勤務した方による、21世紀の世界情勢を推測して書かれたミリタリー・スリラー小説。 空軍出身ということもあり、航空戦に関する細かい描写が魅力的です。 ステルス機を用いた戦闘の描写こそ、ほとんどないものの、防空ミサイルによる航空拒否と現代航空戦における電波統制の大切さ、...
元英国国防省に勤務した方による、21世紀の世界情勢を推測して書かれたミリタリー・スリラー小説。 空軍出身ということもあり、航空戦に関する細かい描写が魅力的です。 ステルス機を用いた戦闘の描写こそ、ほとんどないものの、防空ミサイルによる航空拒否と現代航空戦における電波統制の大切さ、空中給油の重要性を痛感させてくれるストーリーが展開されます。 中東情勢の予測もなかなか鋭く突いており、今から読み返しても面白い作品です。
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本書がこのジャンルの中でも特別なのが、小説の背景とも言える状況分析を物語の1/3を割いて行っている点に尽きる。2000年前後の状況から小説の下地となるように分析評価しているのであるが、2015年現在、作者が総力戦と言う全面戦争を前提に予期した通りの進行の予兆が散見される。 まずは...
本書がこのジャンルの中でも特別なのが、小説の背景とも言える状況分析を物語の1/3を割いて行っている点に尽きる。2000年前後の状況から小説の下地となるように分析評価しているのであるが、2015年現在、作者が総力戦と言う全面戦争を前提に予期した通りの進行の予兆が散見される。 まずは中東情勢であるが、シリアがここまで国家崩壊することを誰が予想しただろうか。内戦に輪をかけてイスラム過激国家の一方的な建国と周辺国への侵略は、シリア国民を難民化させ、ヨーロッパへの大規模な流入となっている。難民の受け入れ先のヨーロッパ諸国では、本書の予想通り移民に反対する極右政党が民意を集め、EU新加盟諸国の財政援助も相俟って欧州連合への求心力が弱まりつつある。シリア内部でも、苦戦を強いられているアサド大統領は、極秘裏にロシアのプーチン大統領と会談を行い、関係をアピールし英米の支援する反体制派、ロシアの支援する大統領派そしてアラブのムスリムの過激国家ISISと混沌としている。一方、相変わらず恫喝外交を止めない北朝鮮は別格としても中国に急接近する韓国は、再び属国の道を選んだようにみえるが、米中のせめぎ合いの中で益々立場を無くしているようにみえる。中国と言えば日本との尖閣諸島の争奪を一旦休止し、一帯一路のスローガンの矛先をスプラトリー諸島を梃子にして南シナ海での覇権確立に躍起なっており、米国との衝突をギリギリのところで凌いでる構図である。ロシア、ウクライナの中に存在する重要な軍事拠点のクリミヤの併合をウクライナとの直接的な戦闘は避けつつ達成した。と同時にNATO加盟に意欲を見せていたバルト三国にロシアの力を見せつけた。 さて、本書が最大の係争点として描き出したアラブとユダヤの争いは、ガザとヨルダン川西岸のパレスチナ自治区を舞台に持つ者と持たざる者の憎悪が止むことなく続いている。民族と宗教という戦の2大テーマが横たわる同地域に平穏が訪れることはない。ちょっと前まではイスラム過激派が起こすテロが大きな問題となっていたが、その過激派の一部が、シリアの内乱を突き、イスラムの教えによる国家樹立を一方的に宣言した。その実態は、恐怖による圧制であり、その過激さとシリアの混乱故においそれと西側からの軍事支援が行えない間に瞬く間に勢力を拡大し油田まで手に入れた。イラクへの派兵で憔悴したアメリカは、議会に対して派兵が切り出しにくい状況であり、ここにきてカダフィやサダム・フセインの存在があったことによる安定が悔悟と伴に語られている。本書では、イスラム社会を統合するリーダーのもとイスラエルの抹殺に動き出したイスラム連合に対して西側が抑止に入ろうとするが全て一手先を越される状況に至り、致死的な生物兵器が使われたことから、イスラエルが核による相互確証破壊に動き出したところでアメリカが抑止に入るというストーリーが紡ぎだされた。大国間で相互確証破壊は、考えにくい中、核を保有する小国が核を行使するというストーリーは、俄かに現実味を帯びて恐ろしい。
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