建築の設計と責任 なぜ今も地震で建物が壊

多田英之(著者)

• 販売会社／発売会社: 岩波書店
• 発売年月日: 2002/03/23
• JAN: 9784000227216

商品レビュー

2020/09/26

建築の設計と責任―なぜ今も地震で建物が壊れるのか
(和書)2010年06月30日 19:02
2002 岩波書店 多田 英之

今まで何冊か耐震・免震に関する本を読んでみましたが、この本は一風変わっていて、とても面白い本でした。なかなかこういった意見を聞くことも無いのかなって思いました。

建築基準法に対する姿勢がとても面白い。今までこんな意見は聴いたことがなかった。

今まで読んだ本では、建築基準法が改正された方が住宅に関して倒壊率が低いなどの意見が多かったが、この本はそういった意見ではなく設計者というものの力を如何に発揮することができるかと行ったような意見が書かれていて、建築基準法は無くても良いような意見で読んでいて刺激的でした。

2013/12/25

国内最大手の組織設計事務所から九州大学の教官になられた多田先生による、建築の設計における思想に伴う経験をストレートに現した本であって、技術書ではない。
多田先生は免震構造の先駆者として有名だが、そのトップランナーによる、メーカーとの顛末記だったり、建築行政や日本建築センターに対する強烈な批判だったり、とにかく胸の内を吐き出すような本。
この本に書かれていることは工学の本質を外れたものではないし、特に行政批判のくだりは的を得ているが
、では建築の設計に携わる万人に当てはまるかというと、そうとは思わない。
むしろ、行政や法律に頼らなくても建築の設計が出来る者のみが建築の設計を業としろ、ということと読めた。