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同時代ゲーム 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1984/08/25 |
JAN | 9784101126142 |
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同時代ゲーム
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同時代ゲーム
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商品レビュー
3.5
27件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
うおおぉーーー!読み切ったぞーー! 寝落ち最多記録更新!3行で眠くなって、次に開いた時によく憶えてなくて1ページ前から読み直すから、アラ不思議、読んでも読んでも元に戻ってしまうミステリアスな読書迷宮から3週間かけて戻って参りました! ひろがるうれしみ。初読み大江さん。 内容としては至極シンプル。主人公の〈僕(露己)〉が〈妹(露巳)〉へあてた手紙の中で、故郷の四国山中のとある村〈村=国家=小宇宙〉の「神話と歴史」や兄弟知人の動向を伝えた文章を読む、というもの。 ひたすら冗長に村の歴史が語られ、兄弟の悲惨なあゆみを聞き齧り、これは一体なんなのだといい加減に頭が痛くなってきたところで《第六の手紙 村=国家=小宇宙の森》の章終盤にて、タイトル『ゲーム』というワードが突如飛び出してくるのであります。「ひとつの三次元の空間についてそれ固有の時間があり、つまりは空間×時間のユニットとしてこの世界があるのだ」(p584)「ほとんど無限に近い空間×時間のユニットのなかから、ゲームのように任意の現実を選びとって、人類史をどのようにも組みかえることができよう……。いまわしらが生きておる、この今につながってくる歴史も、そういうもののひとつにすぎんか知れんが!」(p585)というセンテンス。 このあたりをどう読むか。 わたしは、いわゆるメタフィクション的な、所詮作品の中の登場人物が、作品の中の村の歴史を語り継いだところでその歴史は作者(=神的なもの)の匙加減でいかようにも荒唐無稽に「組みかえ」られるのだからさ、その全ての可能性を見渡す事なんて出来やしないんだしさ、多少ハチャメチャでも自分が好きにやりたい事を好きにやれば良いじゃん、という風に受けとりました。 じっさい、この真理に気付きかけたのかどうかわかりませんが、〈僕〉は「素裸の躰を真赤に塗って満月の谷間から森の奥の暗闇へと駈け登って行った」(p558)挙句に糞尿を撒き散らし屁を放ちながら山を分け入り、歩き回った末に「塗りつけた紅がもう尻の割れめにしか残っておらぬ僕」(p582)に至ったところでスンッと悟るのであった。「僕の肉体と精神のなかには、確かにその外縁はかぎられているが、そのなかは層をなして無限の広がりをもつ、小宇宙としての森がはいりこんだのだ。」(p583)という。すっかりデトックスされたようなスッキリ爽やかな場面であります。ととのっています。イっちゃってます。 個人的には〈僕〉の弟〈ツユトメサン(露留)〉の野球エピソードがくだらないながらも大好き。ツユトメサンのとこだけは眠くならずに読めました。ほんとに。p486〜のくだりは思わず笑っちゃいます。完全にギャグ漫画展開。最期はしょぼん。 文学史的なことはよくわかりませんが、わたしの感想としては「とにかく眠かったけど、読書したな」という満足感と疲労感が3:7くらいの振り返り。 読書体力が増したのは間違いない! 8刷 2024.9.13
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同時代ゲーム読了。いやー時間かかった。 この難解な一見訳の分からない、作者の物凄い創造力に満たされた文章を読破できたことは、今後の読書にも自信をもてる。 あまりにも奇怪な登場人物にクスッと笑ってしまうが、あまりにも文学的なので笑っちゃっていいものか悩んだ。 面白いか面白くないかで...
同時代ゲーム読了。いやー時間かかった。 この難解な一見訳の分からない、作者の物凄い創造力に満たされた文章を読破できたことは、今後の読書にも自信をもてる。 あまりにも奇怪な登場人物にクスッと笑ってしまうが、あまりにも文学的なので笑っちゃっていいものか悩んだ。 面白いか面白くないかでは表現できない、混沌とした小説だったので自分としては高評価だった。 なにしろ、長時間よく読破できた。でも不思議と途中で挫折しようとは思わなかった。それは大江さんの脳内に少しでも入りたいと思ったからかも知れない。
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以前1/3くらいで挫折。今回も1年くらいかかった。これまでのいきさつと作者の現状の説明と故郷の歴史とのない交ぜと、大江独特の硬質な文体に慣れるまでの「第一の手紙」が一番の難所。大きな歴史としての時間、家族の昔とその後、双子である主人公と妹の目を通して"現在"と...
以前1/3くらいで挫折。今回も1年くらいかかった。これまでのいきさつと作者の現状の説明と故郷の歴史とのない交ぜと、大江独特の硬質な文体に慣れるまでの「第一の手紙」が一番の難所。大きな歴史としての時間、家族の昔とその後、双子である主人公と妹の目を通して"現在"として移動する時間、と複層的な構造を往還しながら着地点がわからないまま運ばれていく。小説何個分にもなりそうな登場人物やプロットがたいして掘り下げられもせず惜しげもなく投入される。なんか"けり"もつかないまま放り出されて終わるのも凄い。とにかく圧倒的。
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