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女ごころ 新潮文庫
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女ごころ 新潮文庫

サマセット・モーム(著者), 龍口直太郎(訳者)

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女ごころ 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1960/07/25
JAN 9784102130063

女ごころ

¥220

商品レビュー

4.4

9件のお客様レビュー

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2024/05/26

モームは面白いとは思っていたけれど、これは今まで読んだモーム作品の中で一二を争う面白さなのでは。ヒューマンドラマかと思いきやミステリーのようで、けっきょくロマンスコメディなのかもという中編。映画にしたら面白そう〜。 翻訳が少し古いのか日本語の表現もかなり文学的で何ヶ所か辞書を引...

モームは面白いとは思っていたけれど、これは今まで読んだモーム作品の中で一二を争う面白さなのでは。ヒューマンドラマかと思いきやミステリーのようで、けっきょくロマンスコメディなのかもという中編。映画にしたら面白そう〜。 翻訳が少し古いのか日本語の表現もかなり文学的で何ヶ所か辞書を引き引き読んだ。古臭くて読めないというほどではないので、これもまた楽しい読書時間。『女心』という邦題も絶妙。 【少しだけネタバレるよ!】 タイトルから女心を淡々と描くのかと想像したけれど、予想外なことに、中盤で事件が起こって、そこからはジェットコースターのように一気読みだった。意外な出来事の連続で目が離せなくなる! 主人公の気持ちは全くわからない! と言いたいところだけれど、彼女の思考がとても絶妙に細やかに描写されているので違和感や共感できないことへのフラストレーションが全くない。荒唐無稽なのに思わず納得してしまう話の展開だった。 二回り年上で身分もお金もある紳士な男性エドガー、容姿はさほどでもなくお金もないのに女心を掴んで離さないロウリイ、オーストリアからの亡命者で情熱的な若人カール。三人の男性のうち、誰に魅力を感じるかといったらやはりロウリイかな。一番自分そのものを見てくれそうな印象。

Posted by ブクログ

2014/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 作者・モームは、第一次世界大戦中に英国諜報部員として活躍し、戦後に小説家になった人だ。文学というものが現在ほど細分化されていないため、作品は純文学のジャンルだけれども、スリリングなサスペンス仕立てとなっている中編小説だ。  物語の舞台は第一次世界大戦中のイタリアだ。美貌のメアリは、嫁ぎ先の亭主が事業に失敗し自殺したため、切り詰めればなんとか食べてゆけるだけの資産をもつ未亡人になった。とある貴婦人のパーティーに招待されたときを機に、三人の男がいい寄ってくる。  一人めは英国高官、二人めはパーティーに招かれたプレイボーイ、そして三人めがパーティーで下手なヴァイオリンを弾いていたオーストリア人だった。  英国高官はメアリが少女時代から恋焦がれている独身の老紳士。プレイボーイはチャラ男に見える。そしてオーストリア人はナチスドイツが祖国を併合したことに憤り反対運動をしたため弾圧を逃れるためイタリアに亡命した青年だ。  老紳士からプロポーズをされてメアリはセレブな生活を維持するため同意するのだが、なにせ30近い年の差があるため愛を感じない。プレイボーイは亡くした夫より実生活が荒んでいそうだ。  そんなところへ、パーティーのときに、たまたま親切にしてやったオーストリア人がストークしてきて屋敷の自室に忍び込み、拳銃自殺してしまう。状況からして部屋にいたメアリは容疑者にされてしまうに違いない。動転した彼女は、プレイボーイを電話で呼び、どうしたらいいか相談する。  プレイボーイは、メアリを手伝わせて、死体を車に積み込むと、森の中に隠した。途中、夜遊び帰りのイタリア紳士たちを乗せた車がやってきて、死体を運ぶところをみられそうになる。しかしそこで、プレイボーイが以外な度胸と機転をみせる。なんと恋人を装って熱烈なキスをするというものだった。  無事に死体を処分したプレイボーイは、実は南アフリカの大地主だった。そしてメアリにプロポーズした。こうして美貌の未亡人は危険な香りのする男に嫁ぐことになった。  モームのこの小説を映画にしたのが、邦題『真夜中の銃声』。ミステリー三分割法で、第二幕で原作のラストをつけている。映画のオリジナルは第三幕部分で、原作では控えめだった老貴婦人・王女がキャスティングボードを握る。オリジナルな登場人物であるファシスト党の大尉が、死体遺棄の件で、プレイボーイを疑って牢にぶちこむ。  メアリはたまたま、酒を飲んだ王女が、大尉の収賄資料を持っているという話をもらしたのを憶えていた。彼女は、書類を盗み出し、大尉を脅してプレイボーイを助けるというオチをつけた。  実はこの物語、学生時代の必須英語2科目のうちの1つでテキストだった英文小説。苦労して和訳したのだけれど、出席日数が足りなくて落とし、翌年度に最履修。でも、お洒落な爺様教授のおかげで、本作を知った。ほろ苦い(いや激辛な)思い出のある作品である。

Posted by ブクログ

2013/06/02

モームは以前に「劇場」を読んだだけ。あの作品は今でも好きで、たまに気持ちが落ち込んだ時に読み返している。 この「女ごころ」は特に情報もなく、モーム作品だというだけで買ったもの。 「劇場」でも思ったが、心理表現が巧みだなと感心した。 しかしまあ、彼女が最後に選んだのが彼と言うのには...

モームは以前に「劇場」を読んだだけ。あの作品は今でも好きで、たまに気持ちが落ち込んだ時に読み返している。 この「女ごころ」は特に情報もなく、モーム作品だというだけで買ったもの。 「劇場」でも思ったが、心理表現が巧みだなと感心した。 しかしまあ、彼女が最後に選んだのが彼と言うのには納得。善悪両方の面を知ったうえでそのまま受け止めてくれる人に惹かれるのは当然だろう。 誠実さを貫こうとする男性と、その男性の本音を感じ取った彼女との駆け引きの場面がよかった。

Posted by ブクログ