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留学 新潮文庫
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留学 新潮文庫

遠藤周作(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1968/09/25
JAN 9784101123035

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2010/05/28

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日本にとって外国がいまよりもずっと遠かった時代に、社会に先駈けてヨーロッパへ「留学」した3名の日本人を主人公にした3篇。なかでも個人的に印象に残っている作品が、荒木トマスを主人公とした「留学生」である。わたしはまったく知らなかったのであるが、この荒木は実在の人物で、江戸時代前期にローマに留学してキリスト教の司祭となるも、帰国後「転び」、長崎奉行所に出仕して、幕府の禁教政策に協力するようになったという。もちろんフィクションなので細かい感情などは著者の創作が多分に含まれているのであろうが、大志を抱いてキリスト教を学んだ人物――しかも当時わざわざ留学するというのはエリート中のエリートであろう――が、帰国後みずからの身を守るために、せっかく学んだ信仰をみすみす棄てざるをえなかった心境は、察するに余りある。ただ、この作品が巧いのは、たんに棄教を強いられて残念無念、かわいそうという感情の一辺倒になっていないところである。荒木は最後まで抵抗しつつやむなく棄教したという雰囲気ではなく、むしろ留学中から将来を案じて、胸がつかえるような思いを抱きながら宗教活動を続けている。そのような自分が正しいのであろうかとずいぶん煩悶したに違いない。歴史の教科書では棄教した宣教師がいたとサラッと流されてしまうが、このような複雑な感情の到達点として棄教があったのであろう。この感情の描写の巧みさはさすが遠藤周作といった趣である。

Posted by ブクログ

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