ルパン傑作集 棺桶島(Ⅹ) 新潮文庫

モーリス・ルブラン(著者), 堀口大學(訳者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2004/08/01
• JAN: 9784102140109

商品レビュー

2024/07/10

1919年発表。アルセーヌ・ルパンシリーズの一作。「第一次世界大戦シリーズ」とも呼べる作品群の3作目。否が応でも特定の国家間の衝突や対立を連想させる物語になっている。前半はサレック島に囚われたヒロインの冒険譚、後半が極悪非道の悪党の所業と、アルセーヌ・ルパンの活躍劇という構成。白眉は、瞬時に『神の石』の秘密を暴いてしまうルパンの天才的な頭脳と、悪党を軽々と翻弄する活動力／発想力。これらはエピローグまで余すところなく堪能できる。『神の石』の真相は味わい深く、発表当時に読んでみたかったと思わせる逸品。

2018/09/21

「モーリス･ルブランの手による江戸川乱歩風味」といった趣の物語。

忌まわしい伝説が伝わる島に監禁された愛息を救うべく、島に渡った母親、悪の首領が支配するその島には壮大な地下迷宮(!?)が存在し、万能の力を持つ「神の石」が眠る…。
ほら、乱歩以外何物でもない！

しかも、珍しく主役のルパンは何と、物語の3/4を過ぎた辺りから登場という異例の展開。
なのに安っぽいんだなぁ、これが…。

2014/07/14

ルパンシリーズの最終巻。長編。
棺桶島で起こる恐怖の惨劇。死へと導かれていく署名、そして過去から伝えられてきた啓示
孤島という逃げ場のない舞台で起こる恐怖の出来事に、、、