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細川日記(上) 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 1979/08/10 |
JAN | 9784122006577 |
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細川日記(上)
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1979年刊。著者は近衛文麿内閣における首相秘書官。その後も近衛の秘書的役割を果たしてきた人物である。 昭和18年後半、東条内閣倒閣を企図した近衛が、協調相手の一として選択した高松宮(海軍士官)。彼との連絡係、そして情報収集担当として選抜されたのが著者である。 本書は、彼の情報収集、高松宮や近衛への報告や意見交換、時世分析に関する日記・叙述録から構成される。全2巻中1巻で、近衛の倒閣活動開始から、サイパン陥落・東条内閣倒壊・小磯内閣成立の昭和19年7月迄が叙述対象である。 内容を見ると、シビアかつ的確な論評が随所に見受けられる。 すなわち、 ① 遠からずドイツは敗戦する。 ② 日米の彼我の戦力差・技術差分析と予期される日本の敗北。 ③ 国内においては、食糧危機・餓死続出が目前に迫っている。 ④ ③の結果、国内での共産主義革命の危険が亢進するだろう。 ⑤ 補給線の喪失を主要因として、負け戦をヒシヒシと感じている海軍(特に昭和19年に顕著)。 など、当時の状況と大局的な方向性は、多数の識者(在外武官、外交官、軍人、記者)からの聴取によって的確に把握されているようだ。 しかしながら、それとは程遠いのが軍隊。すなわち、客観性と説得力の何らない軍人の矜持。軍隊の官僚的組織防衛の様。官僚の無謬性を脱却できない陸軍を動かすまでには至らなかった。 また、ソ連と米国の政治的意図を正しく把握していないなど、当時の認識と分析の甘さもまた随所に見受けられる。 なお、高松宮や近衛、米内など、当時の関係者の肉声を感じ取れる点は買いだ。
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