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花々と星々と 中公文庫
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花々と星々と 中公文庫

犬養道子(著者)

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花々と星々と 中公文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 1974/06/10
JAN 9784122001077

花々と星々と

¥550

商品レビュー

4.4

5件のお客様レビュー

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2024/05/10

これまでに読んだ著書とは少し毛色が違っていた。 と言うのも、これまでの分は成人した犬養さんが全てで、ご家族も「お祖父ちゃま(犬養毅)」くらいしか登場していなかった。(あとはお母様のご友人で、犬養家にもよくお見えになっていたという児童文学者 石井桃子さん) この物語では幼少期の犬...

これまでに読んだ著書とは少し毛色が違っていた。 と言うのも、これまでの分は成人した犬養さんが全てで、ご家族も「お祖父ちゃま(犬養毅)」くらいしか登場していなかった。(あとはお母様のご友人で、犬養家にもよくお見えになっていたという児童文学者 石井桃子さん) この物語では幼少期の犬養さんやご両親、お祖父ちゃま・お祖母ちゃまが主要メンバーである。彼女自身やご家族のルーツをめぐる旅。知識も度胸も卓越していた成人 道子さんではなく、遊びに入れ込んでいた「道ちゃん」目線へと読者は誘導される。 今まで以上に時間を忘れ、読み耽った。 前半の道ちゃん一家は、お祖父ちゃま達と離れて暮らしていた。 暮らし向きはそこまで豪勢でなかったみたいだが、それでも道ちゃんは歴としたお嬢様。お庭に畑、渡り廊下や西洋間まで備えたお家で、毎夏には軽井沢へと赴く…。お祖父ちゃまとの初対面は転地療養先の熱海だった。 「幸にも、父はわけわからぬおとなの同類ではなかった。[中略]私は文字をおぼえるついでのことに、おとなには、わけのわかる人種と、わけのわからぬ人種と、二種類あることを知ったのだった」 生活だけでなく、道ちゃんの心も豊かに育まれていた。 絵本の代わりに西洋画帖をあてがわれ、そのまま空想世界へと乗り出す日々。(それでも『クマのプーさん』原作に大喜びしたのは、児童書も肌に合っていたってことなのかな) ごっこ遊びに喜んで加わる小説家の父と母、頻繁に出入りしていた白樺派の作家達は彼女の心を育てた「花のごとく星のごとき存在」だった。言い間違いを敢えて正さなかったり、白樺派の談話に混ぜたりする等「女子ども」の概念を超えて一人の人間として対応してくれる。 全ては彼らによる「リベラル英才教育」の賜物と言って良い。風通しの良い環境を早い時期から体感したために、後年社会の矛盾に格別疑問を抱かれたんだろうなー… のちの成人 道子さん含め、犬養家の女性はとにかく強い! 父方のお祖母ちゃまを一言で表すなら、「強烈」または「超合理主義者」。略奪結婚のうえ犬養家の全使用人を取り仕切る手腕は「ほんもの」である。道ちゃんのキューピー人形をヒントに、正月飾りをセルロイドに一新させたエピソードは暫く忘れないと思う…。 でも本書で触れられる事件の数々に視点を変えると、間違いなくお母様が一族のMVPであろう。ピアノを弾いたり遊びに興じる時のふわふわした一面と、終盤にかけて語られる女傑っぷりのギャップには目を見張るものがある。 衛生看護学に秀で決死の看病を家族に施し、自宅に押しかける暴徒を丸腰のまま追い返す。更には5.15事件の現場に居合わせ、直後には冷静に医者へと連絡していたり…。 一方で日々の不安を子供達への愛情で覆い隠していたのが居た堪れず、何度か涙が流れた。ラストとそれ以降に待ち受ける受難を思うと胸が圧迫される。 以前『お嬢さん放浪記』のレビューで「お嬢様であっても、深窓の令嬢ではない」と書いたが、自分の当ては外れていなかったらしい。そして彼女を輩出した家庭もまた、見せかけではなかった。 ※どのエピソードもインパクトがあって、今回一部でも記録せずにはいられませんでした。もちろん他に書きたいこと、道ちゃんたちの表情や心情だって幾つも自分の中で引っかかっています。 いつか必ず再読したく…!その時はエピソードに気を取られぬようレビュー致します笑

Posted by ブクログ

2009/04/18

犬養毅の孫であり犬養健の娘であった道子氏が描く幼少時代。まさにきら星のように魅力溢れる人々と道子氏の交流が描かれています。中でも道子氏を溺愛していた祖父犬養毅が道子氏に託した物と言葉のエピソードが印象的でした。

Posted by ブクログ

2006/04/15

あの五・一五事件で暗殺された犬養毅首相の孫、犬飼道子の自伝小説。はじめの方は軽いなぁと思って読んでいた。というのも、生まれてきた環境が一般家庭とはかけ離れすぎている。彼女の周りにでてくる人物は日本の歴史をつくった偉人達。それを見ているだけでも興味深いものはあったが。後半はあの暗殺...

あの五・一五事件で暗殺された犬養毅首相の孫、犬飼道子の自伝小説。はじめの方は軽いなぁと思って読んでいた。というのも、生まれてきた環境が一般家庭とはかけ離れすぎている。彼女の周りにでてくる人物は日本の歴史をつくった偉人達。それを見ているだけでも興味深いものはあったが。後半はあの暗殺劇の裏側か。白樺派であった犬飼健の妻、仲子夫人の人間像に感嘆を覚える。どのような偉大な政治家(健氏は最初は作家であったが・・・。)にも内助の功があると言われるが、それもこの本を通じて納得させられた。もちろん、仲子夫人は犬養毅の夫人ではなく、息子である健の夫人なのだが、彼女が家族の精神的支柱となって凛としているのは昭和を代表する淑女の典型的例ではないだろうか。著者で、物語の中では少女である道子氏と歴史上の有名人達のやり取りも見物だ。とにかく、歴史を紐とく小説として、この本は大変興味深い一冊と言える。

Posted by ブクログ

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