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ジャン・ルイ・ド・ランビュール(著者), 岩崎力(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 1979/05/23
JAN 9784120008726

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2021/12/07

北九州市立図書館で借りました。昭和54年の初版本。裏表紙を開くと借りるための紙のカードがありました。最後に借りられたのは昭和56年。「ライティングの哲学」で紹介されていたので、原典読んでみたいと思って借りました。ライティングの哲学で紹介されていたのは文化人類学者のクロード・レヴィ...

北九州市立図書館で借りました。昭和54年の初版本。裏表紙を開くと借りるための紙のカードがありました。最後に借りられたのは昭和56年。「ライティングの哲学」で紹介されていたので、原典読んでみたいと思って借りました。ライティングの哲学で紹介されていたのは文化人類学者のクロード・レヴィ=ストロース。原稿を一切のブレーキをかけずに書き、もう書き込めなくなったら不要な部分を塗りつぶしてまた書く、という画家的な書き方(描き方?)なんだと。その他の作家で面白そうな人いるかな……と思って読んだのですが、全体として皆さん分離されないとかけないというか、カフェだったり自宅だったりにこもる話が多かったです。 印象に残ったのはエルヴェ・バザンの「なにひとつ偶然にはまかせない」にあった一文です。 >鏡が私達の映像を保存するために作られているわけではなく、むしろそれを問題にするために存在するといった、《反映(レフレクシオン)と省察(レフレクシオン)》なのです(「鏡がもう少し反省してくれたらいいんだが」とすでにコクトーは言っていました)。 フランス語のréflexionが考え、みたいな意味も持ってて面白いな、と思ったら英語のreflectionも同じだったということを今始めて知りました。勉強になりました。引用されているコクトーは恐らく「ジャン・コクトー」なんだと思うんですが、この本が出版された当時にエルヴェ・バザンが特に社会問題を扱っていたことと関係しているのかもな、と勝手に思いました。 例えば社会に構造的な問題があるとして、それの表出が現実社会の生きづらさとかなんだと思うんですよね。遺伝子異常→がん、みたいな。コクトーのいう「鏡の反省」は、たとえば遺伝子異常があったとしてもがんにならないでくれよ、みたいな。 社会問題って、鏡が反省しないどころか、より強調してきますよね。超写実主義は小説の中だけでいいよ、と思うのですが、小説=言葉が現実を捉えるためには現実より拡張している必要があるわけなので、超写実主義自体は必要なんだなと思いました。それは社会問題を取り扱う社会医学の研究者としても、ファクトフルだけではだめなんだろうなあ、と思ったりします。そうなってくると、嘘をつくことになるんですが、嘘にもつきかたがあるんだと思うんですよ。それが科学的なお作法というか、「仮定」の置き方だと思うんですよね。で、全方位に仮説を展開するのが中立的というか配慮なのかもしれないんですが、そこを、お作法に基づきつつ、ある一方向に向かって展開していく、ある一方向に写実を超越していくことが今後必要になるんだろうな、何故ならば現実がいつも問題を強調しにくるのだから。

Posted by ブクログ