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鬼怒川 新潮文庫
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鬼怒川 新潮文庫

有吉佐和子(著者)

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鬼怒川 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1980/05/25
JAN 9784101132150

鬼怒川

¥220

商品レビュー

4.4

6件のお客様レビュー

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2024/06/29

面白すぎた。 戦前の貧農の暮らしをつぶさに知ることができ、現代人ってなんと贅沢なんだろう、申し訳なさすぎるとひしひし感じた。 田舎のおばあちゃんと話す時、お互い感じる違和感というか、齟齬のようなものの理由が解明される感じ。白米絶対に食べ残したり捨てたりしないと誓う。 また、女に...

面白すぎた。 戦前の貧農の暮らしをつぶさに知ることができ、現代人ってなんと贅沢なんだろう、申し訳なさすぎるとひしひし感じた。 田舎のおばあちゃんと話す時、お互い感じる違和感というか、齟齬のようなものの理由が解明される感じ。白米絶対に食べ残したり捨てたりしないと誓う。 また、女にとって、息子を持つ母親にとっての戦争を知る文献としても最適。 帰ってきて埋蔵金に夢中になる、ロマンを求める男の愚かさも、無理はないのかもと、少しは理解して受け入れられるようになった。 最近知った「死を知った時、人は心に鬱を抱える。それを飼い慣らせるかどうかで生き方が変わる」という見解があるのだが、 チヨにとって死の概念とは、突然現れて災厄をもたらした三平の戦友だった。そこからチヨの性格が変わっていた。ターニングポイントがとてもわかりやすい構成だった。 有吉佐和子さん本当に深い。大好きです。

Posted by ブクログ

2024/03/29

有吉佐和子氏の初期の作品『紀ノ川』『香華』は、女性物との印象で、 若かったわたしはそのような作品と思われるものは、同時代的には読み継がなかったのです。 でも、近ごろ読みだした未読作品群の中の『鬼怒川』は、女の一代記といえばいえるのだが、 それだけではない作家のメッセージが、物語...

有吉佐和子氏の初期の作品『紀ノ川』『香華』は、女性物との印象で、 若かったわたしはそのような作品と思われるものは、同時代的には読み継がなかったのです。 でも、近ごろ読みだした未読作品群の中の『鬼怒川』は、女の一代記といえばいえるのだが、 それだけではない作家のメッセージが、物語の中ににじみ出ているのに気が付かされた。 ​ 「時は明治時代、絹の里・結城の機織りは女性の仕事、優秀な腕持つ女性が有利な結婚ができる。 家が貧しい16歳のチヨはその美貌と機織りの腕で、ワンランク上の家に嫁いだ。 夫は日露戦争の生き残り勇士。 けれども、その戦争体験は彼を精神的に痛めつけて無気力にしてしまっていた。 働こうとしない夫は土地に伝わるの夢を見はじめて、家を顧みない。 チヨの苦労。 そして時代は移って、太平洋戦争から復員した息子、学生運動で警察に逮捕された男の孫も、 絹の里に戻ってくると、同じように無気力になり、同じように黄金埋蔵伝説に取りつかれる という幸せではないチヨの生き行く道。」 ​ というと、やっぱり同じかあ、となるのだが、 戦争の不条理を言いながら、男脳女脳のどうしようもない違いや、 かえって、その違いのおもしろさを描いているのではないかと思う。 わたしは男女の区別が苛立たしいと思って幾星霜。 しかし、違いこそ人間の生きるエネルギーになっているのだ。

Posted by ブクログ

2023/01/13

いやはや救いがあるのか無いのか混然としているけれども、流石は流行作家だった方でしょうか、すらすらと読ませてくれて面白かった。 何だか2023年の現在がこの本の筋をなぞっているような気もして、歴史は繰り返すのか?ある意味正念場を迎えているかもなぁとこの小説を読みつつ思ったりもして。...

いやはや救いがあるのか無いのか混然としているけれども、流石は流行作家だった方でしょうか、すらすらと読ませてくれて面白かった。 何だか2023年の現在がこの本の筋をなぞっているような気もして、歴史は繰り返すのか?ある意味正念場を迎えているかもなぁとこの小説を読みつつ思ったりもして。 有吉佐和子、今はあんまり読まれないんだろうか?それなら惜しいなぁ。

Posted by ブクログ

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