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追想 芥川龍之介 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 1981/07/01 |
JAN | 9784122048058 |
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追想 芥川龍之介
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追想 芥川龍之介
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芥川龍之介は、芸術至上主義の小説家といわれる その特質を顕著にあらわす作として「地獄変」が挙げられるだろう 王朝時代の仏絵師が、地獄絵図を描くために もっとも愛する自分の娘を、火中に投じてしまうという話だ 炎にまかれて死にゆく娘を前に、恍惚たる表情を浮かべながら 絵師は、作品を仕...
芥川龍之介は、芸術至上主義の小説家といわれる その特質を顕著にあらわす作として「地獄変」が挙げられるだろう 王朝時代の仏絵師が、地獄絵図を描くために もっとも愛する自分の娘を、火中に投じてしまうという話だ 炎にまかれて死にゆく娘を前に、恍惚たる表情を浮かべながら 絵師は、作品を仕上げた後、自らもくびれ死んでしまう 大正12年、関東大震災におそわれた芥川龍之介は 子供たちをほったらかしのまま、家から逃げ出してしまい おおいに妻の怒りをかうのだが それがどうも、門のところから震える家を眺めていたらしい …単なる小心がそうさせたのか あるいは、小説の題材を得るチャンスと思ったのか 真相は藪の中である しかしその頃からだ、芥川が神経を本格的に病み始めたのは 芥川に、家族への気遣いがなかったわけではない 「追想 芥川龍之介」は 龍之介の妻フミによる思い出語りの書物なんだけど そこに見て取れるのは、民主的でおおらかな父親像ばかりだ とはいえ、地獄変の絵師も娘は溺愛してたのである いつか自分も、愛するものを火中に投じずにはいられないだろう 煎じ詰めればそんな思いが、芥川の芸術を行き詰まりへと 追いやったのではないか なお、龍之介とフミの結婚は大正7年の2月 「地獄変」の発表は同年の5月である ついでに言うと、狂人の娘こと秀しげ子との出会いは 翌大正8年のことであった
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著者の中野が、1963年8月から芥川文の亡くなる1968年8月までの間に行ったインタビューをまとめ、歌誌『樹木』に掲げていたもの。 芥川没後35年とは思えない鮮やかな印象が綴られているのは、聴き手の力だろうか。それにしても、婚約中の未来の妻に?外の『安井夫人』を読めと勧める龍...
著者の中野が、1963年8月から芥川文の亡くなる1968年8月までの間に行ったインタビューをまとめ、歌誌『樹木』に掲げていたもの。 芥川没後35年とは思えない鮮やかな印象が綴られているのは、聴き手の力だろうか。それにしても、婚約中の未来の妻に?外の『安井夫人』を読めと勧める龍之介とはいったいどんな男か、と思ってしまう。龍之介は決してよき家庭人ではなかったし、彼自身係累の多さとわずらわしさを嘆いているわりには、そのような関係の中でしか生きられない妻に対する想像力をずいぶん欠いていたように思う。芥川家の家計はすべて養父の道章が取り仕切り、家事は養母と伯母が分担していた。そんな家で、嫁の役割とはいったいどんなものだったのか? 驚かされるのは、芥川文が龍之介のテクストを細部にわたるまでよく読んでいること。いったい彼女はどんな気持ちでそれを読んでいたのだろうか。龍之介との関係が噂された、彼女もよく見知っていた何人かの女性に触れた記述をどんな思いでたどったのだろう。自分宛のてのラブレターの文面を紹介しながら、「私はときどき、主人の手紙も創作の一部であったかも知れないと思っています」と語る彼女には、どんな信念と矜持とがあったのだろう。 インタビューが行われたのは、芥川文が調布にあった三男・也寸志の家にいたときだった。著者によれば、その頃の調布には「禁猟区」があったという。わずか50年。隔世の感のある話である。
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ま、おもろい。 というか興味深い。 芥川龍之介の妻が語る、もう一人の芥川龍之介。 表裏一体のようで全く違うことがよくわかる。 岩田幸子氏とはまた違う味の文章は若干読みにくいが、おそらくこれは聞き取りに因る。 イロモノ本・トリビア本ではなく物書きの居たとある家庭語り。
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