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果しなき流れの果に ハルキ文庫
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果しなき流れの果に ハルキ文庫

小松左京(著者)

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果しなき流れの果に ハルキ文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川春樹事務所
発売年月日 1997/12/18
JAN 9784894563698

果しなき流れの果に

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商品レビュー

4

67件のお客様レビュー

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2025/12/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

古墳の中から発見された、「無限に砂が流れ続ける砂時計」。その謎を追う野々村たちの調査の中で、関係者が次々と不可解な変死を遂げていく—— 序盤はミステリー色の濃い導入ですが、物語はやがて 約10億年に及ぶ壮大な時間と宇宙のスケールへと広がっていきます。時間を管理する組織と、その支配に抗う勢力による、時間そのものを巡る果てしない戦い。 本作は、まさに“思考実験としてのSF”を突き詰めた大作です。 登場する概念は桁違いに壮大で、人類の知性を遥かに超えた高次の存在や、物理法則の反転する「逆行宇宙」といった、あらゆる流れの世界が描かれ、想像力の限界に挑むような設定が次々と提示されます。 宇宙とは何か、時間とは何か、意識とは何か——その問いを最大限追い求めた作品と言えるでしょう。 しかし同時に、本作は非常に硬質でエンタメ性は極めて低いです。 序盤と終盤こそドラマがありますが、中盤はあまりにも壮大な設定の説明に多くのページが割かれ、物語はダイジェスト的に流れていきます。 そのため、登場人物のドラマを期待する読者よりも、世界観や概念そのものに魅力を感じられるかどうかで評価が大きく分かれる作品です。 特に印象深いのは、「意識とはマイナスの場」であるという考え方。 物質とエネルギーという“正”の力を前提としながら、意識は“負”の性質を持つ存在として発生する為、エントロピーが逆転している逆行宇宙へ引き寄せられる。 今この瞬間考えている“意識”とは、「逆行宇宙側にいる自分」が一度受信し、キャッチボールのように返してきた意思であり、ほんの少し改変されたコピーとなっています。 脳と意識はニアリーイコールの関係であり、その差分によって、意識が肉体を超越していくという設定が描かれています。 作中で野々村は、未来で得た知識を一万年前の人間にフィードバックしよう。という壮大な計画を思い描き、叶わずに敗れました。 しかし、反転した宇宙が隣り合っているという設定は、それぞれの宇宙にいる野々村が、互いにフィードバックし、意思を補強しあう事で、ラストの果てしなき流れから抜け出せた事に繋がったのではないかと思っています。 (野々村が何度分解されても復活するという設定も同様に、互いにバックアップを取っていた事が原因かなとおもっています) 1965年という時代に、これほどの高次概念と緻密な宇宙設定を構築したこと自体、驚嘆すべき偉業です。 確かにドラマ性は弱く、気軽におすすめできる作品ではありません。しかし、純粋にハードSFを愛する読者には、令和の時代であっても揺るぎない存在感を放つ名作だと思います。

Posted by ブクログ

2025/08/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 噂の小松SF最高傑作。確かに恐竜の住んでいる時代に電話が鳴ってたり、古墳の石壁の中から足音が聞こえてきたりと、導入部からSF魂をくすぐる魅力的なアイディアが次々に登場する。が、しかしなんか物足りない。「虚無回廊」のようにはいかないか。古くさいという感じでもないんだけどなあ。なんでだろ。  一度、ほとんどの関係者が死ぬか行方不明になるかして、表面的には事件は終わるが、実は...という展開もかなり凝ってるし、本当に野々村かどうかがわからない、甘すぎない結末も悪くないんだけどねえ。なんで素直に感動できないのかなあ。頭悪くて観念的な話が理解できないだけだったりして。  超能力を発現できないものは生き残れないという残酷なテストや、原始人の食人の習慣も自然の厳しさに比べればなんてことはないというところなど、本来ならくるはずなんだけどなあ。視点があまりにもマクロなんだろうか?  歴史は変えるべきだという主張は、いかにも小松左京っぽいし、幽霊から役の行者、日本沈没、階てい、超能力までつめこんだ密度の濃さはそのあたりの軽いSFと次元が違うのは確か。  山田正紀の「神狩り」はこれを目標にしたんじゃないかという気がする。

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2024/10/30

2024.10.28 読了 大原まり子さんがあとがきで「32年前にに書かれたとは信じられない」と書いてあるが、それからさらに27年経ったいま、59年前とは思えないみずみずしさを感じる。 「恐竜、不確定性理論、古代史、人類の進化、ラグランジュ点に浮かぶ人工衛星までの軌道エレベーター...

2024.10.28 読了 大原まり子さんがあとがきで「32年前にに書かれたとは信じられない」と書いてあるが、それからさらに27年経ったいま、59年前とは思えないみずみずしさを感じる。 「恐竜、不確定性理論、古代史、人類の進化、ラグランジュ点に浮かぶ人工衛星までの軌道エレベーターなどなど、時を経てなお魅力的な小道具が、綺羅星のごとく散りばめられている」とあるが、その魅力とワクワク感は、時をさらに経た今でも一向に色褪せていない。 『三体』が非常に面白く、影響を受けたといわれている本作を手にして、実は、小松左京を初めてじっくりと読むなぁと驚いた。日本沈没やさよならジュピターなどのあまりにも有名すぎる作品群のためにむしろ後回しにしていた自分に後悔している。 恐怖ものや短編(『岬にて』は、どこに収録されているのか?)も読んでみたい。

Posted by ブクログ