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「家庭教育」の隘路 子育てに強迫される母親たち
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 勁草書房 |
発売年月日 | 2008/02/10 |
JAN | 9784326653331 |
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「家庭教育」の隘路
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商品レビュー
3.4
12件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本は、育児について、母親に焦点をあて、インタビュー調査と既存のアンケートのデータから(アンケートは子による回答もあり)、現状と問題点を分析している。その内容は↓のようなことでした。 ・母親の育児の方法は、子供の能力や就業、意識などに長期的な影響も含めて(間接的な場合もあるが)影響している ・育児の方法には母の学歴が影響している傾向がある。とはいえ、特定の育児方法を採用することが望ましいわけではなく、子育ての方法は一長一短である ・母親にはその負担がのしかかり、自分のキャリアプランを後回しにしたり、仕事との両立に苦労したりしている 筆者は、どんな子育てをすればどうなるかを論じて推奨しているのではなく、格差のある現状、母親が葛藤を抱える現状を解決する政策の必要性を提唱している。 最近教育政策で提唱されてるように、人間性、非認知能力が大事なのはわかるけど、それを育てる責任が母にのしかかったら確かに辛い。母を追い詰める政策はやめるようにという筆者の主張には賛成。 同時に、そんな血眼で教育しなくても、親子共に幸せになれることが理想的だよなと思いつつ。。教育って、何かの能力があがるのと引き換えに別の能力や精神面の幸福度はさがるかもしれないし、それも人によりちがうだろうし、難しい。。
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のびのび育てるとコミュ力はアップするが、いい仕事には就けない。きっちり育てると親子関係に悪影響だが、いい仕事に就ける可能性が高まる。 のびのび、且つきっちり育てられれば最高だが、普通そこまで出来ない。公的資源がここを補ってくれればいいが、今の政治はここを家庭に押し付けている。家...
のびのび育てるとコミュ力はアップするが、いい仕事には就けない。きっちり育てると親子関係に悪影響だが、いい仕事に就ける可能性が高まる。 のびのび、且つきっちり育てられれば最高だが、普通そこまで出来ない。公的資源がここを補ってくれればいいが、今の政治はここを家庭に押し付けている。家庭の仕事は現状女の仕事。子供にはやりたいことをさせたいが、女はそのロールモデルにはなれないという矛盾。
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自分が著者のことを知ったのは、NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」出演時でした。 太田光の挑発的な問いかけに激しい剣幕で真っ向勝負していたのが印象的でした。 共著した「「ニート」って言うな!」も話題になりましたね。 政府の教育再生会議で「親学」が議題に上るなど、昨今「家庭がダメ...
自分が著者のことを知ったのは、NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」出演時でした。 太田光の挑発的な問いかけに激しい剣幕で真っ向勝負していたのが印象的でした。 共著した「「ニート」って言うな!」も話題になりましたね。 政府の教育再生会議で「親学」が議題に上るなど、昨今「家庭がダメだから子供がダメになるのだ」という趣旨の家庭教育責任論が活発化し、一方で家庭での教育をメインに取り上げる雑誌などが次々と創刊されるなど、「家庭教育」への関心が非常に高まっている状況にあります。 著者の問題意識は、限りある時間的・経済的リソースの中ただでさえ「正しい親であらなければならない」というプレッシャーにさらされている世の母親たちが、こうした「家庭教育」重視の風潮によりますます苦境に追い込まれていく状況が発生しているのでは、という点にあります(著者自身小学生の子供を持つ母親だということです)。 39名の小学生の子を持つ母親へのインタビューと、青年期の子供とその母親とのペアを対象にした質問紙調査データとを材料に、社会階層が家庭教育の在り方に影響を与える「格差」の問題、および、母親たちが子育てそのものの中で、或いは、自身の人生設計との間で直面している「葛藤」の実態をあぶり出していきます。 読み応えがあるのはやはり、かなりの紙幅が費やされているインタビューの部分です。 母親たちが何を考え何に悩みながら「家庭教育」に向き合っているのか。 分かったようで分かっていなかったことが赤裸々に生の声として込められています。 ウチのコドモはまだ教育前段階ですが、今後父親として或いは夫としてどのような配慮が必要になるのか、考えさせられるものがありました。 ポスト近代化社会では、単にテストで好成績を上げ高学歴を得ることが必ずしも社会的な成功を保証してくれはしない。 求められるのは知識や学力だけではなく、コミュニケーション能力や独創力などいわゆる「人間力」的なスキルが重視されることになります。 それじゃあ学歴は全く関係ないかというとそんなことはない。 ちゃんと勉強して学力を上げるとともに生活習慣や社会のルールを身につけるための「きっちり」した教育と、子供の個性に合わせて様々な体験をさせることで「人間力」を身につけさせる「のびのび」した教育が、どちらも必要とされるわけです。 ところがこの両者を両立させることはなかなかに難しい。 厳しく躾け過ぎればのびのびとした個性は育たないし、放任し過ぎれば規律は身に付かない。 そうしたアンビバレンスに母親たちは日々悩んでいるわけです。 正直、はじめに主張ありきでそれを裏付ける調査結果を組み立てた、という印象も多少はするんですが、結論には同意するし、調査結果の分析内容も興味深く、読んでよかったと思える一冊でした。
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