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華の碑文 世阿弥元清 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論社 |
発売年月日 | 1977/08/10 |
JAN | 9784122004627 |
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華の碑文
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商品レビュー
3.7
7件のお客様レビュー
世阿弥(元清)の幼少期から亡くなるまでを弟の元仲の視点で語られた物語。単なるエンタメであった猿楽を能という芸術までに昇華させたサクセスストーリーであり、その中で政治に翻弄されたり、天才の葛藤があったり、BLがあったりとドラマチックな展開が、古めの淡々とした美しい日本語で描かれてい...
世阿弥(元清)の幼少期から亡くなるまでを弟の元仲の視点で語られた物語。単なるエンタメであった猿楽を能という芸術までに昇華させたサクセスストーリーであり、その中で政治に翻弄されたり、天才の葛藤があったり、BLがあったりとドラマチックな展開が、古めの淡々とした美しい日本語で描かれていた。大河などで映像化したらぜひ観てみたい。 この本の後、もちろん「風姿花伝」を手に取った。
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杉本苑子 「 華の碑文 」世阿弥の生涯を弟の目線で語る歴史小説。世阿弥を虚無的芸術家として描いている 観阿弥と楠正成(南朝)の姻戚関係、世阿弥と足利義満(北朝)の男色関係を物語の背景としている。世阿弥の虚無性や翳を 幼少期に受けた性暴力やパトロンとの男色関係に見出している。小...
杉本苑子 「 華の碑文 」世阿弥の生涯を弟の目線で語る歴史小説。世阿弥を虚無的芸術家として描いている 観阿弥と楠正成(南朝)の姻戚関係、世阿弥と足利義満(北朝)の男色関係を物語の背景としている。世阿弥の虚無性や翳を 幼少期に受けた性暴力やパトロンとの男色関係に見出している。小説は虚構世界とは言え、男色関係や政治寄りな姿勢について、能の世界の人から 異論や批判がなかったのかと思う。 世阿弥の虚無的人間像を強調した「幸せを信じていないので、不幸が到来しても慌てない〜不幸は人を聡明にする〜あえて不幸を忌避しようとは思わない」というセリフは、世阿弥が犠牲(いけにえ)になって、能を普遍芸能まで高めたように感じる。 芸能の世界は残酷だと思う 小説の構成上、蜂丸はトリックスターだと思ったのだが、世阿弥との絡みも少なくて残念〜蜂丸が世阿弥の人間性を引き出すと思っていたのだが。
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大昔に『傾く滝』と前後して読んだせいだろう、エピソード一つ記憶に残っていなかったが、どうして中々に濃厚な物語。 寺稚児や枕童を永年勤めた身にとって、姫育ちの妻を悦ばせるなんて容易な勤めだと実弟相手に気負いなく嘯く元清が、憐れを誘う。 容姿と才能に恵まれて、将軍に認められ愛され、世の栄華を極めても、自分個人の人生にどこか投げやり。赤裸々というのとも違う、凄絶な存在感を放つ。 しかしまあ、後小松帝の北山第一滞在の煌びやかなこと。 あと、危篤の義満の枕元で、所望された『清経』を迷いなく小声で歌う元清のこぼす涙はグッと来たなあ。
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