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ぼくたちの船タンバリ 岩波少年文庫585
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2008/02/15 |
JAN | 9784001145854 |
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ぼくたちの船タンバリ
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少年たちは荒波の中をもがく。 ヤン・テラーはルーデンの残した船タンバリに執着していた。タンバリで海に出たい。学校も友人も家族も、タンバリほどヤンの心を動かすことはなかった。タンバリは誰のものなのか。そしてヤンはどこへ向かうのか。 ある日故郷に帰ってきたルーベンが遺した古い船を、ルーベンと親しくしていたヤンはまるで自分の人生を切り開くもののように思っている。その船が崩れかけているのに漁師たちは助けてくれず、心配するヤンに友人ヘンドリークは呆れ、相容れないハイノーとヤンは殴り合いになる。厄介なものと見た大人の思惑で少年たちは船に関わることを許され、酔っ払いだったカスバウムは少年たちを指揮することで立ち直る。カスバウムの仲立ちでハイノーとも仲間になる。しかし嵐のせいで出た損害を船で埋めるために、少年たちは船を手放すよう仕向けられる。ヘンドリークの保護者でもある村長は、カスバウムのためと子どもたちを手伝わせ、村のためと船を手放すように言う。本人はそれで正しいと思っているところがくせものだ。でもこのような大人は多いだろう。船のことはわからないし仕事が多いからと責任者を断りながら、子どもたちが熱心になったら船を取り上げてはいけないと援護する先生の方がまだマシだ。 組合の委員長である父が難しい立場にあることを考えて船を手放すと言い出したヤンと、賛成できないヘンドリークは対立する。ところどころで出てくる気持ちを言葉にうまく出来ずヘンドリークを苛立たせるヤン。そんな思春期をわかってあげられるような大人びたキャラクターなら、きっとヤンとヘンドリークは親友じゃないだろう。ヤンの彼女的存在ヴィープケと、ヘンドリークの立ち位置もなかなか面白い。親友と彼女に挟まれるヤンがどちらともうまく立ち回れないことが、ヤンをいっそう少年ぽく見せる。 進水式の夜、船で出発したヤンたちは約束した航海に出ようとするが、水も燃料も足りない。最後はおそらく家に帰る方向で船を進めるのだろうけど、ぷつりと物語は終わるので、ヤンが父親と会ったらどのような会話になるのかはわからない。そもそもうまく戻れるのかもわからない。少年ヤンのこれからも、比喩的な意味で、外海へ行くのか、入江を巡って故郷に戻るのか、わからないのである。想像をかき立てる終わりだった。
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少年たちが帆船で冒険をする物語だと思ったら少し違いました。 村を離れていた老船乗りルーデンが遺した帆船タンバリ号を巡り、村の人々の思いが錯綜する。ルーデンのことをよく思っていなかった漁師たちはタンバリを邪魔者扱いし、ルーデンを慕っていた少年ヤンはタンバリを修理して航海を夢見る。...
少年たちが帆船で冒険をする物語だと思ったら少し違いました。 村を離れていた老船乗りルーデンが遺した帆船タンバリ号を巡り、村の人々の思いが錯綜する。ルーデンのことをよく思っていなかった漁師たちはタンバリを邪魔者扱いし、ルーデンを慕っていた少年ヤンはタンバリを修理して航海を夢見る。子どもたちがタンバリを酔っぱらいのカスバウムと修理を始めたら、漁師の組合の損失補填のためにタンバリを売り払おうとする意見が現れ、子どもたちの気持ちを守ろうとする者との間に軋轢が生じる。子どもたちの中も一枚岩ではなくそれぞれの思いがあり、けんかしながら自分の気持ちを訴える。父と子のそれぞれがそれぞれを想いながらすれ違ってしまう。タンバリを中心としてそれぞれの思いがぶつかり合います。 自分がその場にいたならば、自分はどう思うだろうかどう行動するだろうかを考えながら読み進めました。 そして最後ヤンが取った行動とラストシーンをどう受け取るか。ただ単に爽やかな青春の謳歌とは言い切れないものがあります。
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