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ヨーロッパの個人主義 講談社現代新書176
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1969/01/16 |
JAN | 9784061155763 |
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ヨーロッパの個人主義
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商品レビュー
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解放や自由だけを「個人」のあり方と考えてしまうと、権威の存在を前提としなければ「個人」は成り立たないことになる。解放だけを求め続けると、些細な束縛にも堪えられなくなり、束縛と付き合いながら生きていくという精神の衛生学に習熟できなくなる。不満だけが澱(おり)のように溜まり、きっかけ...
解放や自由だけを「個人」のあり方と考えてしまうと、権威の存在を前提としなければ「個人」は成り立たないことになる。解放だけを求め続けると、些細な束縛にも堪えられなくなり、束縛と付き合いながら生きていくという精神の衛生学に習熟できなくなる。不満だけが澱(おり)のように溜まり、きっかけを見つけると不合理な激情となって暴発する。p.9 秩序の崩壊・権威の喪失により、人々は信仰のよるべを失った。人々は目前に開かれた自由に狂喜し、ユートピアの夢想に浸る。しかしだれも自由の重荷に容易に耐えることはできない。p.197 無制限の自由は不自由につながる。自由があり余って不自由に陥れば、より完全な自由を求めて自由を捨てようとする。精神的なアナーキーと全体主義は一つの事柄の二面である。自由の結果は自由の放棄であり、ある暴力的な秩序や観念への完全な自己投入に他ならない。p.198 論争は和解を目指すものではなく、対話は馴れ合いに終わってはいけない。相互の根源的な矛盾から目を逸らしてはいけない。矛盾に耐えて、矛盾をそのまま引き受ける。その上で現実を調停しなければならない。話しても絶対に分かり合えない二つの精神の激突からしか対話は生まれない。p.216 無数の思想に取り囲まれて、判断に迷いが生じ、選択できず、行動できず、どの思想ももっともらしく、どれも正しく、どれかに偏することを嫌い、ただひたすら客観的で公正であろうとする。寛容と公平といういかにも知識人にふさわしい美徳の表看板は、単に信じる力を失っているだけである。p.217
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のちに保守論客として著名になる西尾幹二氏33歳の著作。初版1969年1月ということで、大学紛争真っ只中である。日本はヨーロッパを追い越した、といった議論の軽さを批判し、日本における個人の不在、極度の中央集権化と脆弱な地方文化、国家意識の未発達を指摘しており、現代にもかなり通用する...
のちに保守論客として著名になる西尾幹二氏33歳の著作。初版1969年1月ということで、大学紛争真っ只中である。日本はヨーロッパを追い越した、といった議論の軽さを批判し、日本における個人の不在、極度の中央集権化と脆弱な地方文化、国家意識の未発達を指摘しており、現代にもかなり通用することに正直驚いた。たとえば以下の発言は、グローバリゼーションに翻弄される現代日本の困難を予見したとも言えるだろう。 「もとより、日本的『弱点』はまた、日本的『長所』でもある。ヨーロッパ人は、意志力に長けているが、直観力には弱い。批判力には優れているが、和の精神を欠いている。しかし、それは確かにその通りだが、われわれがみずからの『長所』を失わずして、『弱点』を克服するという二重のむずかしさに耐えるように努力しないかぎり、こんにちのわれわれの内外の困難、たとえば日本社会のけじめのない慢性的混乱と、逼迫する国際状況などを乗り切ることはできないだろう。」
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変わってないのね、日本。 40年前と…。 あいかわらず欧米に憧れてて、真似してて、表面だけで中身なし。かっこわるい。 日本人のあの忙しさは何だ。ヨーロッパの人は「あくせく働かないのではなく、あくせく働かなくてもいいという余裕」を持っている。 「即物的な生き方しか知らな...
変わってないのね、日本。 40年前と…。 あいかわらず欧米に憧れてて、真似してて、表面だけで中身なし。かっこわるい。 日本人のあの忙しさは何だ。ヨーロッパの人は「あくせく働かないのではなく、あくせく働かなくてもいいという余裕」を持っている。 「即物的な生き方しか知らない日本人の楽天主義」が表面上の人間を作っていて「たえず外の印象に振り回され」て芯がない。「影響は受けるが与えない」。 外国は敵ではなく、師。師とならない外国は意識の外。 現代新書としてはけっしてオンタイムでないこの本が現在の日本をしっかり斬ってくれる。
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