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獄中記 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 1950/12/13 |
JAN | 9784042119029 |
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獄中記
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獄中記
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商品レビュー
3.9
8件のお客様レビュー
引っ張り出して再読。 オスカー・ワイルドが収監されている間に書いた手記。 内容としては耽美主義者だったワイルドらしく、芸術論が大半を占めている。シェイクスピアについて書かれたくだりは何度読んでも面白い。シェイクスピア、詩集しか持ってないけどw
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イギリスにおけるルネッサンスを目指したオスカーワイルドが、昨今、地域によっては同性婚が認められだした現代からは隔世の感ある同性愛の罪により投獄された先から寄せた手記をまとめたもの。美は境界域にこそ存在する。転んでもただでは起きない追求心が刺さる。
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そうなると、誰もが書いてみたくなるらしい。 塀の内へ至るまでの経過とその内での逼塞し貶められた、時間の流れが停止したかのような生活を経る中で、嫌というほど自らの内面を見つめ直す時間を与えられた時に書き記すものとは、すこぶる自己陶酔に浸るものではないかと考えていたが、どうも少し違っ...
そうなると、誰もが書いてみたくなるらしい。 塀の内へ至るまでの経過とその内での逼塞し貶められた、時間の流れが停止したかのような生活を経る中で、嫌というほど自らの内面を見つめ直す時間を与えられた時に書き記すものとは、すこぶる自己陶酔に浸るものではないかと考えていたが、どうも少し違ったようだ。 全てが順調に進み時代の寵児として唯美主義とその快楽を貫いてきたオスカー・ワイルドが、全てを失い、否応のない拘束と規律の世界に閉じ込められ、深い苦悩に浸った末に彼が到達した最後の境地とは、謙虚に全てを受け入れ、悲哀の奥深さを感じることであった。もはや宗教や道徳や理性は彼の助けにはならないとなった時に、彼が見出した精神の方向性。それは、人間が感得し得る最高の情緒は悲哀だと達観した上で、外面が内面を表現し、形式が内容を啓示するような分かつことのできない存在の様式を顕わすこと。悲哀がすなわち究極の美となるとすれば、ワイルドは、悲哀と美とがその意味と表現において一体させた者として、そこに個人主義者キリストをみる。キリストと自らを重ね合わせ、芸術の中の最高の芸術を目ざす高らかな宣言をなしたワイルドであったが、それは、あたかもワイルド自身がキリスト殉教に擬えた精神の高揚でもあったのだろう。 「人生における浪漫主義運動の先駆者としてのキリスト」と「行為との関連において考察される芸術的生活」の2つの主題について書きあらわしたいと意欲を示していたワイルドであったが、出獄後、『レディング獄舎の唄』を著したりしたが、世紀末の年、わびしくこの世を去ったという。 まさにオスカー・ワイルドが、漂う暗闇の底より悶え苦しみながら発する魂の叫びがきこえてくるようだ。
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