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フィレンツェ 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 1966/11/25 |
JAN | 9784121001184 |
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フィレンツェ
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美術の黄金時代であったクヮトロチェント(1400年代)のフィレンツェ。しかし、世紀後半にはフィレンツェは政治的危機の中にあり、またルネサンスの栄光もローマ等に移ることとなってしまった。本書は、初期ルネサンスを華やかに彩ったフィレンツェ芸術の栄光と挫折のドラマを描いたものである。...
美術の黄金時代であったクヮトロチェント(1400年代)のフィレンツェ。しかし、世紀後半にはフィレンツェは政治的危機の中にあり、またルネサンスの栄光もローマ等に移ることとなってしまった。本書は、初期ルネサンスを華やかに彩ったフィレンツェ芸術の栄光と挫折のドラマを描いたものである。 本論に入るに先立って、当時のフィレンツェを事実上支配したメディチ家の様相、そしてフィレンツェを取り巻く諸状況が簡潔に描かれる。特記されるのは、「祖国の父」と呼ばれたコジモとその孫ロレンツォ(豪華王)の2人。ロレンツォの晩年の頃には繁栄も終末に近づいていた。その要因としては、オスマントルコの東方支配に伴う経済的利益の喪失、終末観的思想の流行、フランス軍の侵攻等であり、これらの混乱の中からメディチ家の追放、サヴォナローラによる神権政治が行われるなどフィレンツェは大変動に見舞われた。 続いて本題に入るのだが、先ず取り上げられるのは、サン・ジョヴァンニ洗礼堂のブロンズの門扉製作の依頼者選定のコンクールについて。最後まで争ったのはブルネレスキとギベルティの作品。ブルネレスキの作品の方がより”近代的”の表現力を持っていたのであるが、ゴシック的表現を残すギベルティが選ばれたこと=フィレンツェ市民の好みに合っていたことを、フィレンツェ美術の特質を示すものとして、著者はこの後何度も指摘する。 次いで新しい様式を生み出した人物たちが紹介される。建築におけるブルネレスキ、彫刻におけるドナテルロ、絵画におけるマサッチオ。彼らの表現の新しさについては、著者の文章と挿入される写真によりなるほどと首肯されるところだが、しかし、彼らの人間的表現は、繊細さを好む当時のフィレンツェ人には必ずしも好まれなかったとされる。 新しすぎた彼らではあったものの、フィレンツェではボッティチェルリを始め多くの優れた芸術家を生みではいたのだが、天才と呼ばれるに値する人材は1480年代以降フィレンツェから続々と流出して、戻ってくることはなかった。レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロいずれもしかりである。なぜこのような事態になってしまったのか、著者なりの見解が示される。 15世紀フィレンツェ美術に対する現在の捉え方がどのようなものなのかは分からないが、刊行から半世紀以上経っているにもかかわらずその明晰な解説には納得させられるところが多い。 フィレンツェを訪れて、その取り上げられた建築や絵画、彫刻等を直に見たいという欲望を起こさせる優れた入門書だと思います。
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フィレンツェの芸術の盛衰を通覧できる。 イタリア旅行でフィレンツェに行く前に読んでおいたらよかった。旅行を一層楽しめたと思う。
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(1974.06.30読了)(1974.02.06購入) 副題「初期ルネサンス美術の運命」 *解説目録より* 「アテーナイとともに、あらゆる美と真実の母であるフィレンツェ、フィレンツェこそはアテーナイ以後、人間精神に最大の貢献をなした都市である」(ルナン)。ブルネルスキ、ドナテル...
(1974.06.30読了)(1974.02.06購入) 副題「初期ルネサンス美術の運命」 *解説目録より* 「アテーナイとともに、あらゆる美と真実の母であるフィレンツェ、フィレンツェこそはアテーナイ以後、人間精神に最大の貢献をなした都市である」(ルナン)。ブルネルスキ、ドナテルロ、マサッチオ等々、相次ぐ巨匠の排出によって、十五世紀のフィレンツェは美術の黄金時代を迎えていた。しかし世紀の変わり目にいたって、レオナルド、ポライウォーロ、ベロッキオ等の優れた芸術家の芽を育てながら、ついにその成果を実らせることなく衰退に向かい、盛期ルネサンスの栄光をローマにゆずる。このフィレンツェ美術の実相を究明し、芸術の運命について考える。
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