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ピュタゴラスの旅 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1994/01/15 |
JAN | 9784061855779 |
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ピュタゴラスの旅
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ピュタゴラスの旅
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初読の作家の短編集。古代ギリシャ哲学者を描いた表題作と、エピクテトスの話を含む。 そもそも、短編集だと思っていなかったので、メタミステリ短編の冒頭の作で面食らう。アンチミステリというか、アンチ小説という話で、そこからピュタゴラス(ピタゴラス)の話につながるのかと思ったら、全く別...
初読の作家の短編集。古代ギリシャ哲学者を描いた表題作と、エピクテトスの話を含む。 そもそも、短編集だと思っていなかったので、メタミステリ短編の冒頭の作で面食らう。アンチミステリというか、アンチ小説という話で、そこからピュタゴラス(ピタゴラス)の話につながるのかと思ったら、全く別の話であった。 ギリシャ哲学者についての話はこの作家の十八番なのであろう。2作ともブレがなく、ドラマチックに仕上がっている。 他の作品は、冒頭の実験小説、ブラックユーモアと言った類で非常に読みやすくおもしろい。 それぞれの作風がバラバラということもあり、この作家のスタイルを計り知るにはかなり難しいものがある。北杜夫や井上ひさしのような、小説を書いている手の内まで晒すようなスタイルに憧れているが、寡作なのでこういう本になったのか、たまたま集めたのがバラバラだったのかはわからない。 ただ、ブラックユーモアにしろギリシャ哲学の話にしろ舞台裏もののメタコメディにしろ、長編で書いてもそこそこおもしろいのではないかと思われるので、期待を込めての評価とする。
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面白いです。実に。単純に。小説はジェットコースター。楽しければいいんです。そういう気にさせて貰えます。表題作ではないんですが、是非読んで頂きたい「エピクテトス」。著者も言ってますが、これはアニメ化したら面白いでしょうね。あとがきも楽しいです。
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「そしてすべて目に見えないもの」 いわゆるミステリーのパロディでメタな短編。この説明でオチまで見えてしまうところがつらい。小説を浴びるほど読んでないと面白さが分からないが、浴びるほど読んでると一度は考え付いている。そういう意味で悲しい。 「ピュタゴラスの旅」 長編のポテンシャル...
「そしてすべて目に見えないもの」 いわゆるミステリーのパロディでメタな短編。この説明でオチまで見えてしまうところがつらい。小説を浴びるほど読んでないと面白さが分からないが、浴びるほど読んでると一度は考え付いている。そういう意味で悲しい。 「ピュタゴラスの旅」 長編のポテンシャルのある話だけに、遠大な読後感。虚無の浜辺に立った心地。明晰なる数理の学と深遠なる神秘がハルモニアするところに、ムシケーによるカタルシスがある。哲学と宗教が引き裂かれた今、魂の浄化、救いはさらに遠い。 「籤引き」 文明と非文明の衝突を小さな村での事件に仮託してアイロニカルに。これもまたひとつのいわゆるパロディ。パロディなので典型をモチーフにしているので流れが読めるが、追随を許さぬ胡散臭くていかにももっともらしい語り口が上等で愉快なのですよ。 「虐待者たち」 。「幻想の住人にだって現実生活はできるのよ。同じように現実の住人にだって幻想生活はできるの」という台詞の特に前半部分に感じ入る。復讐という行為はメルヘンであり幻想で、物語に属するものなんだな。 「エピクテトス」 ピュタゴラスが歌う魂だとしたら、エピクテトスは歌わない魂。意志の力で鍛え上げた何ものにも揺るがされない魂は、自由。自由は脅かされない。運命に対する救済。「意思の力でどうにもならない物事は、悩まないことである」
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