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存在の耐えられない軽さ 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅰ-03
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2008/02/01 |
| JAN | 9784309709437 |
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存在の耐えられない軽さ
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商品レビュー
4.2
38件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ソ連が恐怖政治を極めたプラハの春以後のチェコ・スロヴァキアを舞台とした作品。男女の恋愛関係を描くものの、扱われる主題はかなり多岐に渡るため、一言で恋愛小説ということはできない。 「人間の一生は取るに足らない軽いものだ」というニーチェの永劫回帰の解説から本作は始まる。その後、全編を通して、傍から見たら文字通り取るに足らない人生を送った者たちの生涯を描くことで、人生の儚さ・虚しさ(存在の耐えられない軽さ)を読者に訴えかける。 トマーシュとテレザの微妙な関係を両者の視点を通して描き、「人を愛するということ」(恋愛観)について、著者独自の価値観を徹底的に論じている。 その中でも特に自分に響いたのが、p.344の一連の文脈。「愛」とは、「なんの要求もなしに他者のところに赴き、その他者がいてくれること以外のなにも望まない」状態かつ、「相手を変えるためではなく、ただたがいに理解し合い、一緒に生活することができる」状態のこと。 自分自身も、妻に対して、あらためて日頃から一緒にいてくれることへの感謝を伝えようと思った。 テレザがそんな「愛」を唯一持つことができた飼い犬のカレーニンが衰弱していく様が、とても切なかった。 その他にも、祖国を捨てることを選んだサビナ(著者の生き写し)や、倒錯したキッチュを端緒とする左翼運動の果てに虚しく一生を終えるフランツなど、時代に翻弄された者たちを描くことで、個人の自由を奪う共産主義体制を真っ向から批判している。 ラストp.364の「野兎に姿を変えるというのは、どういう意味なんだろうか?それは自分の力を忘れるという意味だ。それ以後、たがいに相手以上の力をもたないという意味なんだ。」 このフレーズに本作のメッセージが凝縮されていると感じた。 男と女の恋愛関係でも、国と国同士の国際関係でも、どちらか一方が力を持ってはいけない。 故郷を追われた著者の思いが存分に詰まったラストだった。恐怖政治に翻弄された人々の心理をここまでありありと描写すること自体にも価値があり、まさに世界に訴えかける文学作品。 完全に余談だが、ピンチョンの「ヴァインランド」は国家権力の暴走を冷笑的に描いたが、アメリカとヨーロッパでここまで体制批判のアプローチの仕方が違うものかと驚いた。これだから小説・文学は面白い。
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こんなやり方もあるのか、と思った。私が無学だからなのかもしれないが、物語的な時間の流れにそって書かれる一般的な小説と、時系列の並び方が異なるところが新鮮に感じた。正直、時系列はぐちゃぐちゃだけれど、それでも小説として成立している構造が面白い。重い話題でも、ギャグとしか思えない内容...
こんなやり方もあるのか、と思った。私が無学だからなのかもしれないが、物語的な時間の流れにそって書かれる一般的な小説と、時系列の並び方が異なるところが新鮮に感じた。正直、時系列はぐちゃぐちゃだけれど、それでも小説として成立している構造が面白い。重い話題でも、ギャグとしか思えない内容や展開になっていて「軽い」小説だった。読めば読むほど味が出るタイプだと思われるので、機会があったら再読したい一冊。
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【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA8480139X
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