日本の知恵 ヨーロッパの知恵

松原久子(著者)

• 販売会社／発売会社: 三笠書房
• 発売年月日: 1985/02/25
• JAN: 9784837912668

商品レビュー

2016/09/22

日本とヨーロッパ（特にドイツ）の精神性の違いを歴史に基づいて論じている。歴史には宗教や気候，産業といった要因が含まれており，それぞれの歴史に基づいて精神性が形成されていることに深く納得させられる。技術進展により執筆当時とは世界のつながりはより早く密になり相互に影響を及ぼすようになったとは思うが，精神性の変化の速度は世界の変化よりはゆっくり進行していると思われる。どうしても自分の価値観や信念の枠組みで全てを捉えてしまいがちだが，同じ人間であっても安易に適用しては，相手に対する理解が不正確になることを示唆している。ヨーロッパやアメリカに対する崇拝の念を自動的に持ちがちな日本人があらためて自国の歴史を海外諸国の歴史と比較して学ぶとき，自国の精神性の価値や独自性，それは世界の諸問題を解決する可能性を持っていることに気づけるのではないだろうか。
文化心理学を学ぶ人には必読の書である。
現在は歴史上極めて安定し裕福な生活を送れている時代であることは確かなようだ。

2013/12/02

通常一般的な比較文化論とは異なる本。知識として知っておく必要のある内容。元々比較文化人類学に興味があって読んだのだが、内容はもっと重かった。