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世界制作の方法 ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2008/02/10 |
JAN | 9784480091253 |
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言語哲学、論理学、形而上学、芸術論に多大なる貢献したアメリカの分析哲学者グッドマンの著作。グッドマンの哲学の特徴は、記号主義(この記号主義は、構成主義、体系の複数性、唯名論、反基礎付け主義を特徴とする)、多元論(この多元論には、ヴァージョンの複数性、非実在論、根本的相対主義を特徴...
言語哲学、論理学、形而上学、芸術論に多大なる貢献したアメリカの分析哲学者グッドマンの著作。グッドマンの哲学の特徴は、記号主義(この記号主義は、構成主義、体系の複数性、唯名論、反基礎付け主義を特徴とする)、多元論(この多元論には、ヴァージョンの複数性、非実在論、根本的相対主義を特徴とする)である。以下、目次と内容概略。 第一章 言葉、作品、世界 数多くの異なった世界=バーションがある。しかし、それぞれが唯一の基盤たる世界に還元されるわけではない。様々な世界製作の方法(合成分解、重みづけ、順序ýづけ、削除と補充、変形等)があり、作りだされたバージョンはそれぞれ正しいバージョンである(芸術のバージョンも科学のバージョンも)。これらのバージョンには真理よりも「正しさ」が重要である(「正しさ」については第七章)。 第二章 様式の地位 「一般に様式をなす特徴を他の特徴から区別するものは何か」という問いについて。様式の定義、様式の意義などについて。様式には、語られたもの、例示されたもの、表出されたもの、の特徴が含まれる。様式理論においては、様式と主題、形式と内容、「何」と「いかに」、内在的と外在的などの二項対立を導入すべきではない。 第三章 引用に関するいくつかの問題 言語以外(絵、音楽、身振り等)の引用とはいったいどのようなことなのか、可能なのか、についての考察。 第四章 いつ芸術なのか 「芸術とは何か」という問いについて。「象徴とは外在的であり、作品そのものは象徴ではない。真に重要なことは外在的な象徴について考えることではなく、それと離れて、その作品に内在的な特性とは何か考えることだ」という意見の批判的検討。作品は必ず記号作用(象徴)を行う物であり、内在的な特性の区別などできない。どのようなものも記号作用を持ちうるのであれば、「良い芸術とは何か」より「いつ芸術となるのか」という問うべきだ。 第五章 知覚に関するある当惑 心理学実験における仮現運動についての考察。特に、色の仮現運動について(なめらかに別の色に移動せずいきなり色が変わるということへの当惑)。むしろ、運動の視知覚のあらゆる明確な事例は、事実上色の突然変異に基づくものである、との結論。 第六章 事実の作製 事実は作為的である。事実は理論負荷的である。事実とは小さな理論であり、真なる理論とは大きな事実である。我々は何か古いヴァージョンから出発し、新しい世界を制作すると決意してその技量がもたらされるまでそのヴァージョンにしがみつく。古代ギリシャにおける世界制作を例にとる。 どのヴァージョンも(虚構から成るヴァージョンでさえ)知識拡張の様態の一つであり、科学同様に真剣に解されねばならない。 第七章 レンダリングの正しさについて 真と偽とを区別するだけでは正しいヴァージョンと間違ったヴァージョンを区別するのはに十分でない。検証と真理、真理性と妥当性、正しい代表、公正な見本についての考察。ヴァージョンはそれぞれが適合する世界に対して真であり、その世界に対して正しいとみなすことができる。記述や代表の正しさは真理に包摂するよりも、適合の正しさという一般観念の下に包摂するべきだ。正しいヴァージョンの探索に用いられる検証手段(見本の抽出や一致、演繹・帰納推論等)に対する我々の確信は正当化できない。カテゴリー把握の正しさは、実践と適合の問題である。 ____________________ ぼんやりとしていてわかりにくいが、ところどころはよくわかる。 指示、記述、描写、外延指示、代表、例示、表出、しるし、写し、書記体、綴り、など非常に似たような単語が出てきてわかりにくい。他にも稠密、投射、自書体を入れるなどの独自の表現が頻出してわかりにくい。それを見越してか、親切にも後ろに単語がまとめてあるのでそれを参照するべき。 いつ芸術なのかと引用の問題が好き。第二章と、第七章の後半が難しい。私だけかもしれませんが、glueのパラドックスの議論の主眼がいまいちよくわからない。 幅広い分野を論じているようで、主張がかなり一貫していると感じた。芸術や隠喩表現の意味、シンボル機能、世界の構成などについて述べているので私の興味の範疇にかなり沿っている。また読もう。別の著作も調べるべき。
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現代哲学というとフランスのポスト構造主義がなんとなくおしゃれな感じで、英米の哲学というと、相変わらず、堅苦しい分析哲学とか、言語哲学というイメージがある。 というわけで、敬遠していたのだが、最近、ウィトゲンシュタインの「哲学探究」の問題意識に関心があって、その延長線上にあるも...
現代哲学というとフランスのポスト構造主義がなんとなくおしゃれな感じで、英米の哲学というと、相変わらず、堅苦しい分析哲学とか、言語哲学というイメージがある。 というわけで、敬遠していたのだが、最近、ウィトゲンシュタインの「哲学探究」の問題意識に関心があって、その延長線上にあるものとして、ちょっとアメリカの哲学状況にも目を向けてみようかなと思い始めた。 というところで、最初にあたったのが、この「世界制作の方法」なる本。基本的には、分析哲学や言語哲学、科学哲学、認知心理学などをベースとしているのだが、「世界制作」というタイトルからして、ぶっとんでいる。 で、中をみると、世界は複数のヴァージョンであり、どれが正しいわけではない。という徹底的な相対主義だし、ヴァージョン、ヴィジョン、レンダリングなど、言葉づかいもなかなか刺激的で、面白い。 基本的には、実在とか、認識とか、哲学の中心主題を巡る本なのだが、かなり芸術論的なパーツが充実していて、楽しい。で、その美学的なパーツと形而上学的なパーツがまさに同一の主張であって、要するに「科学」も「芸術」もどちらが「正しい」というわけでもないということを本の構成としてもまさに示したというところ。 個人的には、世界はヴァージョンであり、他のヴァージョンの組み合わせとか変形でできる。が、オリジナルなヴァージョンがあるわけではない。という世界観は、かなり共感できる。 というのは、80年代に洋楽聴いていたときに、やたら同じ曲のヴァージョンが出てきたり、曲の引用だとか、引用の引用といった現象があからさまになされている状況があって、そのときに、なんとなく「世界はヴァージョンだ」と思ったことがあるので。。。。 というわけで、米国の現代哲学もしばらくお勉強してみようという気になった。 もちろん、この本読んで、本当のところ何が分かった訳では、全然ないけどね。(読んでも全然分からないけど、なんだかそれなりに賢くなった気になるのは、フランスのポスト構造主義と同じ効用がある)
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あるブログで推薦されていたので手に取る。 世界論であり認識論、といったところ。この方の著作は初読。 世界や現実は人の数だけ存在する、というのが私の解釈。あるいは曲解。 米国の哲学者は事例が恣意的だというのを苫野先生が言っていたが、その傾向が見られた。 また推薦本は自分の中で勝...
あるブログで推薦されていたので手に取る。 世界論であり認識論、といったところ。この方の著作は初読。 世界や現実は人の数だけ存在する、というのが私の解釈。あるいは曲解。 米国の哲学者は事例が恣意的だというのを苫野先生が言っていたが、その傾向が見られた。 また推薦本は自分の中で勝手にハードルを上げてしまっていることに気づく。期待し過ぎないこと。
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