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731 石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2008/01/28 |
JAN | 9784101337517 |
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商品レビュー
3.8
15件のお客様レビュー
第二次世界大戦時に満州で秘密裏に行われていた細菌の人体実験及び細菌兵器開発を主導した石井四郎を紐解く内容。田舎の秀才がどのようにして731部隊を作り上げたのか。もちろん勉強はできたのだろうがそれよりもマーケティング能力が優れており、細菌兵器の重要性を当時の軍にうまくプレゼンしたこ...
第二次世界大戦時に満州で秘密裏に行われていた細菌の人体実験及び細菌兵器開発を主導した石井四郎を紐解く内容。田舎の秀才がどのようにして731部隊を作り上げたのか。もちろん勉強はできたのだろうがそれよりもマーケティング能力が優れており、細菌兵器の重要性を当時の軍にうまくプレゼンしたことにより自身の階級もそうだがやりたいことをトントン拍子にやったのだろう。 戦後の731部隊関係者とアメリカ、ソ連それぞれの思惑で秘密裏に交渉していく様は当時の混沌とした状況も相まって緊迫感があった。戦犯として扱われないためにアメリカに媚を売ろうとする石井四郎やその部下たちもなんか情けない。アメリカ側も731部隊の実験結果を得るためにソ連を出し抜いたり交渉するのも正義って感じゃないよな。 多くの資料が作中に出てきており、これを全て探し出し読んで文を書いた作者がすごい。
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青木冨貴子(1948年~)氏は、東京神田神保町生まれ、成城大学経済学部卒、出版社勤務後、ノンフィクション・ライターに転じる。1984年に渡米し、「ニューズウィーク日本版」ニューヨーク支局長を3年間務めた後、フリーランスで執筆を続ける。1987年に米作家の故ピート・ハミルと結婚。ニ...
青木冨貴子(1948年~)氏は、東京神田神保町生まれ、成城大学経済学部卒、出版社勤務後、ノンフィクション・ライターに転じる。1984年に渡米し、「ニューズウィーク日本版」ニューヨーク支局長を3年間務めた後、フリーランスで執筆を続ける。1987年に米作家の故ピート・ハミルと結婚。ニューヨーク在住。 本書題名の「731」とは、太平洋戦争期に帝国陸軍に存在した研究機関の一つである関東軍防疫給水部本部(731部隊)のことで、満州のハルビンに置かれ、兵士の感染症予防や衛生的な給水体制の研究を(主)任務とする一方、細菌兵器の研究開発を行い、人体実験や実戦的使用も行っていたと言われている。 本書は、731部隊の隊長・石井四郎(1892~1959年)が、東京裁判で戦犯容疑を問われながら、なぜ訴追を免れ、戦後まで生き延びることができたのかを、膨大な資料と、当時の石井を知る関係者や部隊の生存者らへの取材、更に、取材中に新たに発見された石井が終戦直後に書いた直筆の手記等をもとに、解き明かしたノンフィクションである。尚、戦争中の731部隊の所業については、取材の内容としては出てくるが、その全体像を描いているわけではない。 私は、太平洋戦争に関して、これまで、東南アジアや南洋での戦い、特攻、原爆の投下、満州からの撤退とシベリア抑留等、多数のテーマの本を読んできたし、日本が細菌兵器の研究開発を行っていた(らしい)ことも知ってはいたが、731部隊に関する本を読むのは初めてである。(そういう意味では、まず731部隊の所業について書かれたものを読むべきだったのかも知れないが、本書はたまたま新古書店で目にして入手した) 読了した感想としては、驚きもあったが、それよりも「然もありなん宜なるかな」という印象の方が強かった。石井及び731部隊員は、何とかして戦犯として裁かれること(そうなれば極刑は免れない)を逃れたいと考え、一方のGHQは、既に戦後の東西冷戦をにらんで、人体実験を含む研究データを独占的に入手したいと考える。その両者の利害が一致したことにより、研究データを渡す代わりに、戦争犯罪は問わないという取引が成立したわけだが、功利的な、また、非常にアメリカ的なアイデアだったとは言えるだろう。戦争が終わった時点では、石井はおそらくこのようなシナリオは考えていなかったはずだ。 本書から、個人的には2つの示唆が得られたような気がする。一つは、国家間の対立・戦争においては、普遍的な正義やタブーというのはほとんど存在しないということである。アメリカは、太平洋戦争終戦からほどなくして旧ソ連と軍事衝突する朝鮮戦争で、731部隊の研究開発をもとにした生物兵器を使用したと言われているし、近年のロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルによるガザへの攻撃を取り巻く、各国の動きを見ても、何一つ変わってはいない。 そしてもう一つは、戦争は人を変えるということである。著者も書いている通り、戦後の石井は、驚くほど普通で平凡で小心な小市民である。また、佐藤優の解説によれば、太平洋戦争後、アルゼンチンに潜伏していたところを、イスラエルのモサドに捕らえられ、絞首刑にされた、元ナチス将校のアドルフ・アイヒマンも、「少しだけ上昇志向の強い、家庭の良き父親」だったという。しかし、戦争は、そうした良い人間、優しい人間、気の弱い人間が巨悪に手を染める環境を作るのだ。 731部隊の所業を明らかにし、同じようなことが二度と起こらないようにすべきと言うのは、(ある意味)簡単である。もう一歩進んで考えてみるために、一助となる力作ではないだろうか。 (2024年5月了)
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面白いルポルタージュとは、雑多な資料を一度自身の中で咀嚼し、重要で外せないなものだけを時系列につなぎあわせることで、内容のスリム化を図り、論点をわかりやすく読者に提供することにある。本書では、すべての手持ち資料を残さず使い切ったために、エンタメ性を犠牲にし、それ故に正確な研究取材...
面白いルポルタージュとは、雑多な資料を一度自身の中で咀嚼し、重要で外せないなものだけを時系列につなぎあわせることで、内容のスリム化を図り、論点をわかりやすく読者に提供することにある。本書では、すべての手持ち資料を残さず使い切ったために、エンタメ性を犠牲にし、それ故に正確な研究取材となっている。この辺の好みは分かれそう。 石井部隊の残党が、ミドリ十字を興し(前身の日本ブラッドバンクはGHQ主導だった)、その後の薬害エイズ問題を引き起こしたのは、人命を軽視するマッドサイエンティストの遺伝子を立派に引き継いだともいえよう。 そして、戦争に乗じ科学の発展を隠れ蓑にした人体実験に手を染めた事実があるなら断罪されるべきだが(実際にははっきりしない)、考えてみれば、大量殺りく兵器である原爆の2度の投下、非戦闘員である民間人を狙った東京大空襲、沖縄戦における毒ガス使用など非人道的な戦闘行為を行った米国に日本人を裁く資格があったのかという点も問われるべきであろう。 731部隊(しちさんいちぶたい)は、第二次世界大戦期の大日本帝国陸軍に存在した研究機関のひとつ。正式名称は関東軍防疫給水部本部で、731部隊の名は、その秘匿名称(通称号)である満州第七三一部隊の略。このような通称号は日本陸軍の全部隊に付与されていた。初代部隊長の石井四郎(陸軍軍医中将)にちなんで石井部隊とも呼ばれる。 満州に拠点をおいて、防疫給水の名のとおり兵士の感染症予防や、そのための衛生的な給水体制の研究を主任務とすると同時に、細菌戦に使用する生物兵器の研究・開発機関でもあった。そのために人体実験生物兵器の実戦的使用を行っていた。 細菌戦研究機関だったとする論者の中でも、その中核的存在であったとする見方がある一方で、陸軍軍医学校を中核とし、登戸研究所等の周辺研究機関をネットワーク化した特殊兵器の研究・開発のための実験・実戦部門の一部であったという見方も存在する。 731部隊では、生物兵器の開発や治療法の研究などの目的で、本人の同意に基づかない不当な人体実験も行われていたとする説がある。 人体実験が行われていたとする説によると、被験者とされたのは捕虜やスパイ容疑者として拘束された朝鮮人、中国人、モンゴル人、アメリカ人、ロシア人等で、「マルタ(丸太)」の隠語で呼称されていたという。その人数は、終戦後にソ連が行ったハバロフスク裁判での川島清軍医少将(731部隊第4部長)の証言によると3,000人以上とされるが、ハバロフスク裁判では石井四郎中将が無罪とされているため証言の信用性は疑問である。犠牲者の人数についてはもっと少ないとする者もあり、解剖班に関わったとする胡桃沢正邦技手は多くても700 - 800人とし、別に年に100人程度で総数1000人未満という推定もある。終戦時には、生存していた40-50人の「マルタ」が証拠隠滅のために殺害されたという。 こうした非人道的な人体実験が行われていたとする主たる根拠は、元部隊員など関係者の証言である。例えば、元731部隊員で中国帰還者連絡会(中帰連)会員の篠塚良雄は、当時14歳の少年隊員として「防疫給水部」というところに配属され、細菌を生きている人へ移すという人体実験を行ったことを、2007年にアメリカ、イギリス、中国などの歴史番組のインタビューで答えた。篠塚は、当時若かった自分の罪を悔やんでいるとして、2007年には中国のハルピンへ行き、遺族や被害者に謝罪をしている。ただし、中帰連関係者などの証言については、撫順戦犯管理所での「教育」によって「大日本帝国による侵略行為と自己の罪悪行為」を全面的に否定(自己批判)させられた者の証言であることから、信憑性を疑問視する見方もある。また、篠塚の証言に関しては、731部隊には少年隊は存在しなかったとして疑問視する見解もある。 人体実験に関わる部隊の活動や証言を裏付ける文献資料はほとんど確認されていない。近年になり731部隊関係の米国の公文書が機密指定解除されたため調査が行われたが、その中からは非人道的な実験が行われた記録は発見されなかった。ニューヨーク在住のノンフィクション作家である青木冨貴子によって石井四郎が終戦後に書いた手記が発見されており、それには戦後の石井の行動の克明な記録に加えて、戦時中の行動に関しても相当量が記載されていたが、その中にも非人道的な活動を明示する内容は無かった。 また、森村誠一『続・悪魔の飽食』などに「731部隊によって生体解剖される中国人の犠牲者」として紹介された写真は、『山東省動乱記念写真帖』(青島新報、1928年)に掲載された済南事件被害者の検死中の写真であり、731部隊とは無関係であった。 (ウィキペディア)
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