神さまに用いられた人三浦綾子

宮嶋裕子(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本キリスト教書販売
• 発売年月日: 2007/10/01
• JAN: 9784764264243

商品レビュー

2023/03/16

「氷点」が日本中で話題を呼び、三浦綾子が作家として世に出始めた時は大変センセーショナルな出来事だったと思う。その頃、秘書を務めた著者をとおして当時の裏話が多く紹介されているが、いずれも三浦さんご夫妻、そして著者の信仰の純粋さ、強さを感じさせてくれる逸話の数々。神の働きの素晴らしさを改めて知らされた思いがする。家出し、「自殺をする前に旭川の三浦綾子に会って悩みを相談しよう」と旭川へ向かう神戸の若い女性。青函連絡船で乗り合わせた家出娘を探しに行く男性との出会いが不思議な実話。そして旭川に着いてからのご夫妻との対面の場面など、感動的な場面が多く、著者の筆力も凄いと思う。「塩狩峠」「海嶺」の小説化、そして映画化に至るまでの物語も奇跡的。
著者が生まれて初めて臨時代理で講演に招かれることになってしまったときに、綾子氏から「一人に話するつもりで行って来なさい」と言われたとは、確かに人前で講演する際のテクニックでもあるが、ここにも綾子氏が「一人ひとりの魂に向かう」という信仰の姿勢を見る思いがする。