ウソ力[想像力]の鍛え方

絹谷幸二(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本経済新聞出版社
• 発売年月日: 2003/11/19
• JAN: 9784532164522

商品レビュー

2018/03/19

過日、梅田スカイビルにある絹谷幸二さんの天空の美術館に行く機会に恵まれ、著書も読んでみたいと思い手に取った本
Ⅰ章はじめ、色鮮やか魚たちをみて、人間の裸は｢まるで色彩が貧弱で、飾りたてるものをなにも持っていない。なんとずんべらぼうな姿態をしていることか。｣という文章に衝撃を受けた
“ほんまや･･･”
空を鳥が行き交い、海では珊瑚の間を魚たちが泳ぎ回り、陸には一年中花が咲き競っている
暑い国の人々は、色鮮やか自然のものに憧れ、飾り気のない人間の裸身に入墨をいれているのではないか
人が絵を描いたり、服を着飾ったりするのも、美しく色鮮やかな花や鳥になろうとするパフォーマンスとかかわりがあるのではないだろうか
“なるほど･･･”
Ⅴ章の中のユダヤの知恵
何千年にわたって国を追われる運命を課せられていた流亡の民の財産、それは土地でもなければ、紙幣でもない、もって逃げられるもの、国境を越え、時間を越えることができるもの(人間の頭脳、ダイヤモンドや金など宝石、貴金属、そして芸術)に価値を付加していく
“日本とは違う環境の中で確立された価値観
　芸術に付加されたものの背景を知れた”
芸術の力とは何か？
生きるため(死への恐れへの)の究極の｢ウソ力(想像力)｣、｢芸術は命を助けるのだ｣という著者の考えを綴られた本

自分が今まで知らなかった考え及ばなかった考え方を知れました(驚)

2012/12/21

この人が小中学校の美術の先生だったら、今頃、気負わずにたんたんと、もっと創作活動してるかもしれない。文章は普通だが、人類の歴史から宇宙、全ての物事を既成概念を越えて「自然」視していてスッと腑に落ちる。そうだ、もっと自然を表現できる芸術家でいなくてはいけない。