この人この世界(2007年12・2008年1月) 長寿企業は日本にあり

野村進

• 販売会社／発売会社: 日本放送出版協会
• 発売年月日: 2007/11/29
• JAN: 9784141891833

商品レビュー

2009/03/26

(2008.07.25読了)
｢長寿企業は日本にあり｣野村進著、NHK知るを楽しむ、

｢千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン｣(角川oneテーマ21) 2006/11/9
上記の新書本が、ベストセラーになりました。この本をＮＨＫ教育テレビの講座用テキストに書き直したものでしょう。
世の中の変化とともに、生活に必要とされるものが変化してゆきますので、企業も時代の変化に対応できなくなると存続できなくなります。一般的には、企業の寿命は30年とも言われます。(｢会社の寿命―盛者必衰の理｣新潮文庫)
日本では、｢百年以上続いている老舗は、東京商工リサーチの調査によると一万五千軒にのぼります。二百年以上となると、実践経営学会の調査では三千軒を数えます。日本は、世界の中でもずば抜けた老舗大国であると断言しても差し支えないと考えています。｣

具体的な老舗を取り上げながら、長寿企業の共通項を探っています。
・日本の商都･大阪には｢息子は選べないが、婿は選べる｣という言い習わしがあります。
　華人の間には｢有能な他人より無能な血族を信頼せよ｣という格言があります。
　日本では、｢血族｣よりも｢継続｣を重んじているのです。
・自らの手を汚して、ものづくりに励むことをよしとする価値観
・戦火や他民族による支配を繰り返し受けた地に、老舗はほとんど育ちません。
以上の三つが、日本に老舗企業が多い理由です。

老舗企業の共通項は、｢適応力｣｢許容力｣｢本業力｣の三つです。

著者　野村進
1956年　東京都生まれ
上智大学外国語学部英語学科中退
1978~80年　フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学に留学
1981年　｢フィリピン新人民軍従軍記｣晩聲社刊、を発表
1997年　『コリアン世界の旅』講談社刊、で大宅壮一ノンフィクション賞受賞
1999年　『アジア新しい物語』文藝春秋刊、でアジア太平洋賞受賞
ノンフィクションライター、拓殖大学国際開発学部教授
(2008年8月2日･記)