蒼い聖夜 ママの贈りもの・姉の捧げもの フランス書院文庫

芳川葵【著】

• 販売会社／発売会社: フランス書院
• 発売年月日: 2008/01/10
• JAN: 9784829615454

商品レビュー

2009/01/19

相姦の禁忌を越える旺盛な愛欲

[ＤＳＫ]

義母と実姉に許されない想いを抱いていた主人公が、理解のある家庭教師の導きでその想いを成就する物語。偶然が偶然を呼ぶミラクル展開ではあるが、こうした出来過ぎ感にツッコミを入れる気があまり起きない独特の雰囲気がある。義母との戯れを覗き見て対抗心が芽生える実姉。ホテルから出てくる２人を見て決心する義母。それぞれが事に至る前の、主人公へのアプローチの仕方がベタな手法ながら健気で微笑ましい。ここに主人公を後押しする家庭教師が絡んでくる。ある理由で相姦に寛容な家庭教師は、主人公の想いを知って、これを応援すべく水面下でいろいろ画策しながらちゃっかり摘み食いもするしたたかな人物。あっけらかんとした言動が笑いを誘う憎めない人でもあるが、この家庭教師の企みはあまり奏効していない印象を受ける。もっと言ってしまえば家庭教師がいなくても遅かれ早かれ同じ結果になるような話の展開なのである。事態を掻き回している存在に成りかけていて残念である。それでも相姦の禁忌を越えて淫らにタガを外した義母と、それにつられるように、開き直るように体を開いていく実姉が入り乱れるラストなどはなかなかいやらしい。ただ、なぜか絶頂に至ることが殊の外少なく、主人公の絶倫振りにうっとりしながらも無邪気な主人公の相手をしているような感じがどことなくする。