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まかり通る 電力の鬼・松永安左ェ門
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東洋経済新報社 |
発売年月日 | 2003/07/05 |
JAN | 9784492061329 |
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商品レビュー
3.7
8件のお客様レビュー
表記の本ではなく『小島直記伝記文学全集 第七巻 松永安左エ門の生涯』を読んだ。(小島は他にも松永について書いているので、表記のものとまったく同じではないが、重なりが多いのは想像に難くない) 以下それについての書評である。 第九巻の石橋湛山に続いて読むが、松永安左エ門についてもやは...
表記の本ではなく『小島直記伝記文学全集 第七巻 松永安左エ門の生涯』を読んだ。(小島は他にも松永について書いているので、表記のものとまったく同じではないが、重なりが多いのは想像に難くない) 以下それについての書評である。 第九巻の石橋湛山に続いて読むが、松永安左エ門についてもやはり教科書や本などで名前を聞き知っているだけで、詳しく知らない存在であった。この伝記を通して松永安左エ門の濃密な生涯を垣間見て、自分の安易な日々や無知の脳髄に雷の稲妻を受けたような衝撃であった。又、「老いて学べば死して朽ちず」の意味を問う年来の問題意識の解になるヒントを教えてくれる先人の話であった。翁の70代以降晩年の生き方も、老いに従いますます本質的になる仕事や学びの生活と茶道(耳庵)を通した交友の深さにも感服である。 太平洋戦争を挟んで一実業家が日本資本主義の重要な電力産業の業界再編成を目指し、戦中は軍部や政党と、戦後はGHQや政治家・官僚との駆け引きなど、権力の思惑に振り回されながらも、発電・送電・販売一体の九社分立体制という電力業界の現在に至る体制を作り上げた。戦後パージ明けで、77歳から再起して本格的に活躍する、信念に生きた「電力の鬼」の伝記である。 印象的な件は①河合栄治郎の愛弟子木川田一隆(東京電力)、松永の秘蔵っ子である無私・大悟の中部電力の横山通夫、太田垣士郎から引き継ぐ関西電力の芦原義重など各社の次世代の実務家同志と共鳴して業界再編成に身を挺した姿②96歳の書「不失恒心、不守恒産」(恒心は理念・理想であり、恒産は地位・肩書・名声・財産)。生涯を通したアンガージュマン=現実関与の姿勢・気迫③福沢諭吉の教え「公正の論は不平の徒より生ず」を信条とし、トインビーの『歴史の研究』(第一次大戦後40歳から75歳まで35年かけて6巻を書き上げる)に共感し、81歳で訪欧し直接本人から許可を得て92歳で刊行会を設置、鈴木大拙・小泉信三・蠟山政道・谷川徹三などの協力を得て翻訳事業に取り組む(彼は6歳年長)。刊行の辞を書くためにシュペングラーの『西洋の没落』原典を赤と青のアンダーラインを引きながら終日読む。1972年に全25巻刊行。中山伊知郎はこの翻訳事業を「教育者としての松永翁」で杉田玄白の「蘭学事始」を想起させ日本の文明を世界の文明の中で考えることを教えた、と言う。94歳の生涯で死ぬまで、原書も含めた多くの読書や各社新聞の精読や切り抜きを絶やさず、知性・教養や情報への貪欲な姿勢を貫く。 筆者は徹底した関係者への取材や文献・資料の収集と分析で偏りなく纏め、松永安左エ門のリアルな全貌を再現している。立場上異論の存在は当然であるがそのことを踏まえても、松永の人生の処し方が時空を超えて読者に迫ってくる骨太の傑作である。
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150102読了。前半の学生時代は退屈。電力の観点からは、後半だけでも十分。電力自由化・発送電分離が議論されている今、51年体制発足時の経緯は確り再確認すべき。当時のポイントは、安定供給の為の発送配電一貫体制と、当時の主電源である水力の帰属(開発力)。 電力需要が伸びない今、新規...
150102読了。前半の学生時代は退屈。電力の観点からは、後半だけでも十分。電力自由化・発送電分離が議論されている今、51年体制発足時の経緯は確り再確認すべき。当時のポイントは、安定供給の為の発送配電一貫体制と、当時の主電源である水力の帰属(開発力)。 電力需要が伸びない今、新規電源開発の重要性は低下。安定供給とコスト低減が主なポイントとするなら、9電力の集約と経営多角化・クロスサービスが答えか。 電力の鬼ならどう考える?
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『電力の鬼』の生涯。 お金儲けの世界から、世のため人のためになる商売へと志が変わっていく。 長編なので読み応えあり。
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