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超人類カウル ハヤカワ文庫SF
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超人類カウル ハヤカワ文庫SF

ニールアッシャー【著】, 金子司【訳】

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超人類カウル ハヤカワ文庫SF

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2007/12/15
JAN 9784150116460

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商品レビュー

3.5

2件のお客様レビュー

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2017/11/14

分かりにくい 読むのに苦労した 表紙   5点鈴木 康士   金子 司訳 展開   3点2004年著作 文章   3点 内容 420点 合計 431点

Posted by ブクログ

2016/02/09

 ベルグソンにしろハイデガーにしろ哲学的時間論においては、時間の空間化をいかに回避するかが重要な課題であった。しかし、時間冒険SFならば徹底的に時間を空間化しないと冒険の舞台が得られない。  ニール・アッシャーの描く時間は、二次元に限定的に高さの次元を加えた三次元である。これに空...

 ベルグソンにしろハイデガーにしろ哲学的時間論においては、時間の空間化をいかに回避するかが重要な課題であった。しかし、時間冒険SFならば徹底的に時間を空間化しないと冒険の舞台が得られない。  ニール・アッシャーの描く時間は、二次元に限定的に高さの次元を加えた三次元である。これに空間の三次元を加えて、六次元の時空が舞台といえる。時間はテーブルに広げられた紙のようなもので、紙の下には一本の棒が通っていてテーブルから挙上されており、その周辺は下方へと坂になっている。棒によって持ち上げられた部分がタイムライン、歴史の流れである。時間とは可能性の連鎖である。親殺し、自分殺しのような「不可能」を冒すと、タイムラインから遙かに可能性の坂を下ってしまう。坂を登ってタイムラインに戻るには膨大なエネルギーを要する。あまりに下ってしまうともう戻れない。時間旅行はタイムラインを過去未来へと動くとともに、歴史に干渉してしまうために、多かれ少なかれ坂を下ってしまう。このため多くのエネルギーを要する。他方、歴史を変えて、新たな歴史をタイムラインに載せる操作が成功すれば、現存の歴史は遙か坂の下に押し込められてしまう。  他方、時間旅行は生物の持つ生体エネルギーに依拠するために、多細胞生物が爆発的に増加する10億年前までが時間遡行の限度であり、この時点を「結節点」と称する。これがもうひとつの設定で、本書のタイムマシンは生体タイムマシンである。  さて、遙か未来、神経系を冒すウイルスの蔓延などで衰退した人類は、ナチスばりの遺伝管理により再生するが、アンブラセインとヘリオセインという2勢力にわかれて戦争を続けている。徹底的な遺伝操作により、ヘリオセインのなかからカウルなる超人が生まれる。彼は時間旅行の方法を開発し、戦争は時間にも波及する。カウルは両勢力を手玉にとって、「結節点」に身をおき、歴史に干渉して自分以外の人類を抹殺しようとする。歴史への干渉のモニターとして、トービーストとなる時間移動生物を各時代に送り、ビーストの鱗である生体タイムマシン「トー」を落としていく。トーに寄生された人間は時間遡行を繰り返し、10億年過去にいるカウルに自身の遺伝情報をもたらす役割を強制される。  主人公は22世紀、売春と麻薬で退廃した生活を送っている少女ポーリーと、殺人鬼からクローニングされ、脳をプログラミングされるように設えられた生体マシンとももいうべき殺し屋タック。2人は殺人者とその被害者という立場で出会った時に、トーに寄生され、ポーリーはカウルのサンプルとして、止めどなく時間を遡り、タックはヘリオセインに拾われてプログラミングし直され、彼らとともに時間を遡って、カウル暗殺の道具となる。  設定の骨子を説明するだけで、こんなにかかってしまうのだが、時間SFとしてなかなかの新機軸をうちだしているのではないか。論理的にはほころびはあると思うが、ハードSFではない。  政治的には極右政党・国民党を支持するというアッシャーだが、便利な生活が人類をダメにするという文明批評を盛り込んだ未来図のようだ。時間ものといいながらも宇宙への言及、トービーストはまるでクトゥルーだし、恐竜時代に降り立つジュラシック・パークみたいなエピソード、時間を貫くワームホールと太陽エネルギーを直接汲み出す太陽栓、遙か過去に設置されたヘリオセインの前哨基地と遙か未来のニューロンドン、ガジェットもいっぱい。  自主的に行動する術のないこの2人の主人公がどうやって主人公たり得るのか、超人カウルを倒すことなどできるのか、という展開で、結局は主体性を奪われた2人の再生の物語でもあるし、戦争を続ける人類の再生の物語でもある。様々な人間関係に気が配られており、活況を呈しているというイギリスSF界で、チャールズ・ストロスやアリステア・レナルズと比べても、人間的な味わいの濃い作家のようだ。

Posted by ブクログ

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