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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2007/12/13 |
JAN | 9784087462494 |
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谷崎潤一郎犯罪小説集
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谷崎潤一郎犯罪小説集
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3.8
84件のお客様レビュー
「谷崎潤一郎」といえば、明治・大正・昭和の三つの時代に活躍した、『痴人の愛』『春琴抄』『細雪』などの代表作で知られる、文化勲章も受けた日本を代表する文豪のひとりでしたね。(1965年に鬼籍に入られています) 本書『谷崎潤一郎 犯罪小説集』には、以下の4作品が収録されています。 ...
「谷崎潤一郎」といえば、明治・大正・昭和の三つの時代に活躍した、『痴人の愛』『春琴抄』『細雪』などの代表作で知られる、文化勲章も受けた日本を代表する文豪のひとりでしたね。(1965年に鬼籍に入られています) 本書『谷崎潤一郎 犯罪小説集』には、以下の4作品が収録されています。 ・柳湯の事件(1918年) ・途上(1920年) ・私(1921年) ・白昼鬼語(1918年) 本書を読んだことで、いわゆる「文豪」と呼ばれた作家たちとミステリー(犯罪小説、推理小説、探偵小説)作品の関係を調べていくと、非常に興味深いことが多く、そういう点でも、本と読書の魅力を改めて感じることが出来ました。 谷崎潤一郎と本書収録作品のみについていえば、 ・日本で最初の本格探偵小説といわれる江戸川乱歩の『二銭銅貨』が雑誌「新青年」に掲載されたのは1922年であり、上記の4作品全てがそれ以前に書かれていたということ。 ・クリスティーの代表作の一つの有名なトリックが、その5年前に『私』で使用されていたこと。 (そのクリスティー作品を私は読んでいましたので、トリック自体の衝撃はそこまで大きくはなかったのですが) の事実には、驚きと共に、谷崎潤一郎という文豪の才能を認識させられました。 収録作品の感想としては、やはり『途上』が最も面白く読めました。 (探偵と会社員の二人だけの会話で構成され、追い詰められていく会社員の感情が恐怖へと移り変わっていく様子が見事に描かれており、秀抜だと思います。) 「やはり」と書いたのは、20年以上も前に『日本文芸推理12選&ONE:エラリークイーン編』を読み、その中に収録されていたからです。 その当時に感じたプロバビリィティーの犯罪(わずかな可能性も、あらゆる機会を利用することによって、ついに必然に変わってしまうのか?:クイーン)の面白さと衝撃を今回も味わえました。
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谷崎潤一郎が実は推理小説、ミステリーらしきものをいくつもしたためており、しかもそれがどれも秀逸らしい、と知り手に取った一冊。 収録されている4篇ともキャリアの序盤、100年と少し前に書かれたもので、やたらと"気違い"などという言葉が登場し、マイノリティやハンデ...
谷崎潤一郎が実は推理小説、ミステリーらしきものをいくつもしたためており、しかもそれがどれも秀逸らしい、と知り手に取った一冊。 収録されている4篇ともキャリアの序盤、100年と少し前に書かれたもので、やたらと"気違い"などという言葉が登場し、マイノリティやハンディキャッパー、あるいは女性に対する差別が顕在的かつ余りに露骨だなあ…と、今となっては半ば呆れてしまうところはあるが、読んでいるうちに我知らず、その時代に生きているかのような錯覚に陥る。 それほどまでに、作品が持つ見えざる膂力は凄まじく、つまり、文章の美しさ、完成度が際立っている。 プロットの方も、江戸川乱歩が文壇に現れる前の当時では、まだ誰も日本語で読んだことがなかったであろう、革新的かつ実験的なミステリーの構築が試みられており、こんな一面もあったのか、と素直に感嘆する。 そこに、人間の醜い業とも言えるフェティシズムや、退廃的な印象すら醸し出す耽美主義といった要素が不可分に絡みついてくるところが、いかにも"らしい"ところであり、期待を外すことはない。
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文豪が書いた犯罪小説集。プロパビリティの犯罪を扱った「途上」、信用できない語り手を扱った「私」といった、後の探偵小説に繋がる作品という形で面白かった。
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