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赤と黒(下) 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2007/12/20 |
JAN | 9784334751463 |
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赤と黒(下)
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商品レビュー
4
29件のお客様レビュー
ミュージカルを見たので、原作を。 ソレルの内面が複雑かつ、揺れ動く様は、原作が圧巻。 どうしても単純な印象になってしまう舞台。 これを原作の魅力を活かして舞台化するのは、かなり難しいと思った。
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下巻の後半は凄かった。 読んでいて思わず「えーっ!?なんで?嘘やん」って声が出る事、数回。あまりに劇的な展開の為、読む速度が加速した。エンタメ小説では?と思うぐらいだ。 ジュリヤンが、レナール夫人と別れた後、出会ったのが侯爵令嬢マチルダ。サロンの男達を従え、革新的な考えの持ち主...
下巻の後半は凄かった。 読んでいて思わず「えーっ!?なんで?嘘やん」って声が出る事、数回。あまりに劇的な展開の為、読む速度が加速した。エンタメ小説では?と思うぐらいだ。 ジュリヤンが、レナール夫人と別れた後、出会ったのが侯爵令嬢マチルダ。サロンの男達を従え、革新的な考えの持ち主。 ジュリヤンとマチルダ、 自尊心の高い者同士の駆け引きが、理解不能である。 うーん、恋なのか…? ジュリヤンはレナール夫人の時と同じく、マチルダを落とす事に意義を感じていそう。マチルダも初めての恋に混乱し、言動が支離滅裂。でも、ラストに彼女が取った驚くべき行動により、ジュリヤンを本当に愛していたのでは?と感じさせられたり、王妃マルグリッタに自己投影しただけかもしれない、とも捉えられ、解釈が分かる。 レナール夫人のその後については、短い文章で書かれているだけなのに、だからこそ余計に悲しみを誘い、彼女の愛は本物だったと確信できた。 正反対の2人の女性から愛されたジュリヤン。激しすぎる人間であるがゆえに、自ら破滅へと向かう事になる。 彼の人生は一体、何だったのだろうか。 製材職人の息子に生まれ、金持ちを蔑み、成り上がろうとする野心にまみれる。一方で、頭脳明晰、美青年、周りの人に恵まれ、貴族社会の中で重宝される運も持つ。もっと上手く立ち回る事ができれば、十分に富と名声を得られただろうに、あまりにも不器用過ぎた。 ジュリヤンの人生にも赤(栄光)と黒(影)がある。 題名の持つ意味を読後にもう一度考えてみるが、 いろいろな捉え方ができそうだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
他の本を読むのも間に挟みながら、ようやく、ようやっと読み終わった…。読み切った自分を褒めたい笑。 子どもの時に「漫画で読む名作文学」的な本で読んだことあったが、その時は、ジュリアンの恋愛と出世の物語…というものだと思っていた。 それは物語の軸ではあるものの、小説で読んでみると、風刺画的な当時のフランスの情勢や貴族、市民の文化風俗がリアルに書かれていて、そっちが主題かなと思うほどだった。 上巻でもそうだったけど、そのせいで、ストーリーとして大事なところは簡単に書かれて、それ以外の時代の説明文やジュリアンの内心が長々と…。 この小説の価値は、表面的なストーリー(野心深く出世を目指したジュリアンが、レナール夫人とマチルドと恋愛をしながら、レナール夫人への殺人未遂により死刑を受ける…)というより、当時のフランスの政治や宗教を書き切ったことがすごいことなのだろうか。 それにしても、ジュリアンがレナール夫人を撃つところは、2行くらいだったか。 ジュリアンの死なんて、直接的記載はなかった。 事実の記載があっさりしすぎていて…。 ただ、マチルドがジュリアンの生首にキスするところは、漫画で読んだ強烈なグロテスクな印象よりも、さらっと書かれていて、むしろ爽やかで好感をもった。 キスも、口付けではなく額へのキスだったのね。 さらりと書かれた事実の中では、レナール夫人の最期が一番悲しかったかも。彼女こそ、どんなに苦しんで死んでいったのかと思うと、母として、同性として、悲しい気持ちになったのよ。 ジュリアンの女性に対する思いは、 レナール夫人に対する気持ちは「愛」。 マチルドに対する気持ちは「恋」だったのだろう。 マチルドの気まぐれに振り回されて苦しんで、でも美しい彼女から目が離せない…まさに恋の初期の感情だよね。 ジュリアンが貴族に教えられた通りに振る舞った結果、マチルドに不安や見捨てられる恐怖を感じさせ、マチルドの心を手に入れたところら、ジュリアンってすごく理性的な人なのね…と感心しました。 恋のさなかって、こういうこと言っては逆効果、こういうことやっては逆効果だと理解していても、感情や行動を抑えられない人が多いだろう。貴族からのアドバイスの通りに行動できるジュリアンは、理性的だし、それだけ出世のための行動が身についてしまっていたのか?? それにしては、ジュリアン突発的にかーっとなってレナール夫人殺しに行ったり、理性とはかけ離れたところもあるんだけどさ…。 マチルドとジュリアンは、生まれた家の格は全然違うけど、人間性は似てる。 ジュリアンもマチルドも、自分が周りからどう見られるか?どう評価されるか?ということを常に考えているんだよね。 レナール夫人のモデルは、著者のスタンダールの母とも言われているらしい。 スタンダールの母は、彼が7歳の時に33歳で亡くなっている。そういえばジュリアン自身の母も登場しなかったな。 ジュリアンがレナール夫人の手紙に激怒したのは、この手紙のせいで輝かしい将来が失われた!という思いもあるだろうけど、レナール夫人から裏切られた!という、絶対的に自分の味方であるはずの人からの裏切りに対する怒りだったのだと思う。
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