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サーブ&ボレーはなぜ消えたのか テニスに見る時代の欲望 ベースボール・マガジン社新書
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サーブ&ボレーはなぜ消えたのか テニスに見る時代の欲望 ベースボール・マガジン社新書

武田薫【著】

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サーブ&ボレーはなぜ消えたのか テニスに見る時代の欲望 ベースボール・マガジン社新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ベースボール・マガジン社
発売年月日 2007/11/30
JAN 9784583100647

サーブ&ボレーはなぜ消えたのか

¥110

商品レビュー

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2013/02/27

サーブ&ボレーヤーがいなくなりました。鈴木貴男はいますが、グランドスラムに出てくるレベルの選手では名前が思い浮かびません。なぜ? ラケットの進化、リターン技術の向上という理由はすぐ思いつきます。また、こつこつとポイントを貯めないと上位に行けないランキングシステムでは、ス...

サーブ&ボレーヤーがいなくなりました。鈴木貴男はいますが、グランドスラムに出てくるレベルの選手では名前が思い浮かびません。なぜ? ラケットの進化、リターン技術の向上という理由はすぐ思いつきます。また、こつこつとポイントを貯めないと上位に行けないランキングシステムでは、ストローカーのほうが安定した成績が収められて有利そうに見えます。でも、それだけなら本1冊は必要ないかも。どんなことが書かれているのか、興味津々で武田薫著『サーブ&ボレーはなぜ消えたのか』(ベースボール・マガジン社新書)を読みました。 わかったことは、プレースタイルの変遷はテニスの歴史そのものと密接不可分だということ。以下のようなことが書かれていました。 ■紳士淑女の社交的テニスの時代 (1)テニスは芝の上で行なう社交的なスポーツとして始まった。ネット現在より高かったが、それはボールを十分に弾ませ、打ち合いを続けさせるための必要からであった。 (2)ボレーは打ち合いを中止する意図のある問題ショットで、マナーに反すると考えられた。 ■サーブ&ボレー優勢時代 (1)第1回ウインブルドンの男子シングルスで、ボレーを駆使したスペンサー・ゴアが優勝。当時のネットは今より高く、ネットダッシュしてもサイドを抜かれる可能性が低かった。ゴアとの対戦を拒否する選手が現れたほど有効だった。 (2)テニスの聖地ウィンブルドン。イレギュラーの多い芝ではサーブ&ボレーが有効。 (3)プロ選手の興行が各地で開催されることによりテニスが観戦するスポーツになり、観客はパワフルでスリリングなサーブ&ボレーを喜んだ。 (4)地球の裏側のオーストラリアでは社交的なローンテニスとは無縁のサーブ&ボレーが優勢。興行基盤となる人口が少ないオーストラリアのプロは、サーブ&ボレーを引っさげて海外に進出した。 (5)テレビ中継の時間的制約から、延々と続くラリーが敬遠された。 ■パワー・ストローク優勢時代 (1)ラケットの進化とパワーフルな両手打ち選手の増加により、リターンからの逆襲が可能になった。 (2)テニスが1984年のロサンゼルス大会からオリンピックに復帰し、88年のソウル大会から正式種目となった。それが契機となって、自由経済のプロツアーと距離を保っていたロシア・東欧勢が世界の舞台に進出した。彼らの多くは、米フロリダ州のニック・ボロテリー・アカデミーやスペインで、ストローク主体のプレースタイルを叩き込まれていた。 (3)世界を転戦するツアーが整備されるに従い、クレーコート育ちの南米のストローカーがランキング上位に進出してきた。 (4)スポンサーによる有望な若手選手の先物買いが激化。ニック・ボロテリー・アカデミーなどの有力な選手養成機関も、素質に大きく左右されるサーブ&ボレーヤーより計画的に量産できるストロークカーの育成に力を入れるようになった。(アガシもサーブ&ボレーヤーからストローカーに転向させられたが、アガシの父親はそれに腹を立てていた。) (5)衛星放送による多チャンネル化でスポーツ・コンテンツへの需要が増し、試合時間をは気にしなくてよくなった。むしろ長いほうが好まれるようにさえなった。 ファンの嗜好は振り子のように行き来するので、再びサーブ&ボレーが望まれる日が来るとは思いますが、いまの上位選手のパワー・ストロークにボレーで勝つのは容易ではなさそうです。(サーブ&ボレーの醍醐味ということでは、サンプラスがフェデラーとのエキジビションマッチで見せてくれたサーブ&ボレーの面白さは感激ものでした!)

Posted by ブクログ

2011/08/27

テニススクールに通い始めてから4年程度経過しますが、お蔭様で昨年から上級クラスに上がり、週末にはテニスを楽しんでいます。 上級クラスにもなると様々なパターン練習をするのですが、その一つに「サーブアンドボレー」があります、サーブを打った直後にネットにつめてボレーを決めるという練習...

テニススクールに通い始めてから4年程度経過しますが、お蔭様で昨年から上級クラスに上がり、週末にはテニスを楽しんでいます。 上級クラスにもなると様々なパターン練習をするのですが、その一つに「サーブアンドボレー」があります、サーブを打った直後にネットにつめてボレーを決めるという練習ですが、傍から見ていて格好良いのは分かるのですが私にとっては習得が難しいと感じています。 一方で、プロのシングルスの試合を見ていると、昔に比べて「ベースライン」で打ち合いをしている試合も多くあり、最近はどうなっているのだろうと思っていた矢先に、この本を見つけました。 現在では「サーブアンドボレー」が見られなくなったのは、テレビ放送が衛星放送に変わったせいもある(昔は放送時間の関係からサーブアンドボレーが推奨されていた)等、面白い意見もありました。 この本の結論としては、「サーブアンドボレーは感覚的で、素質が大きくものをいうスタイル、それに対してパワーテニスは言葉は悪いが、量産できる」(p177)という点にあると思いました、私もパワーテニスにすべきなのか(続けるべきなのか)と思ってしまいました。 以下は気になったポイントです。 ・テニスの国際性は、旅費など経費がかさむうえに、言葉・食事・体力・気力など、何か月も洋食と英語で過ごす覚悟が必要、伊達公子が8年間でツアー生活を切り上げたのは限界だったから、15年間も続けている杉山愛はむしろ例外(p64) ・テニスはいまでこそ激しい運動量、強い精神力を求められるスポーツとして認知されているが、当初は、女性の体力や嗜好を十分に吸い込んだ競技で、女々しいスポーツを見なされいた(p71) ・ウィンブルドンでは、いまでも「白を基調としたウェア」を着用してプレーすることを義務付けられている(p76) ・テニスコートは社交の場であり、男女の出会いの機会であった、女性が汗を見せるということは忌み嫌われていた、汗は労働を意味し、そのことは階級性とも結びついていて、男性すら汗を見せないように努めていた(p78) ・公式大会で、白以外の色のウェアが認められたのは1972年のUSオープンからで、その背景にはカラーテレビ放送があった(p79) ・1967年にウィンブルドンはプロにその門戸を開くことになった(p137) ・1975年にヘッド社がより軽いアルミニウムを素材に持ち込んだが、スィートスポットが小さく使いこなすのが難しかった、そこでラケットヘッドを1.5倍にした「デカラケ」が軽素材を使ってプリンスからでた(p150) ・デカラケにより、パワフルショットがはじき出されたのみならず、ラケットの動きから球筋が読み取れなくなった、またパワー倍増の両手打ちが増えた(p150) ・陸上の世界選手権は、1983年にヘルシンキで第一回が開催され、カールルイス(4種目制覇)が飛び出した(p160) ・オリンピックには第三回大会まで金メダルはなかった、1位に銀メダル、2位に銅メダルが与えられた(p165) ・近代オリンピックがこだわった階級制は、テニスの場合、初期の国際性の段階で表向きは解消していた(p165) ・冷戦構造の崩壊により、東京ヨーロッパ間は1991年からすべて直行便になり、旅行時間は半減、それと並行して確約航空券の登場で若者の海外旅行は楽になった(p176) ・サーブアンドボレーは感覚的で、素質が大きくものをいうスタイル、それに対してパワーテニスは言葉は悪いが、量産できる(p177) ・90年代に入って、衛星放送の登場により、その時間枠の縛りが取り外れることになり、もはやサーブアンドボレーでなくてもレベルが高く面白ければ、テニスは延々と中継ができるようになった、逆に試合時間が長い方が歓迎されるようになった(p183) ・サーブアンドボレーは芝のサーフェスにあったプレースタイル、その戦術は最初のサーブで相手を押し込み、低く威力のある弾道でレシーバーを受け身にする、ところが最初の部分を逆転してボレーさせなければレシーバー有利となる(p186) ・フェデラーたちの世代は、リターンのいいパワフルな選手で溢れ、サーブを打ってネットに飛び出していく戦術はリスクが多く、もはやスタイルとして成立しない(p192) 2011年8月27日作成

Posted by ブクログ

2011/07/14

テニスファン必読の書。温故知新。歴史を知ることで、現代の選手の魅力が違った角度から浮かび上がってきます。

Posted by ブクログ

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