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赤いバラは咲いたか
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 弘文堂 |
発売年月日 | 1983/10/01 |
JAN | 9784335460104 |
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赤いバラは咲いたか
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現代フランスの政軍関係の特色 一九六二年のアルジェリア戦争の終結からはや二〇年が経過し、大統領もドゴール→ポソピドー→ジスカールデスクン→ミッテランと変わったものの、第五共和制は体制として政治的安定をかちとることに成功したようである。占領と抵抗、そしてイソドシナ戦争、アルジェリ...
現代フランスの政軍関係の特色 一九六二年のアルジェリア戦争の終結からはや二〇年が経過し、大統領もドゴール→ポソピドー→ジスカールデスクン→ミッテランと変わったものの、第五共和制は体制として政治的安定をかちとることに成功したようである。占領と抵抗、そしてイソドシナ戦争、アルジェリア戦争の試練を経たフランス軍も、その政治への従属の姿勢を再び回復していった。第五共和制における政軍関係の展開の本格的研究は今後の課題であるが、わが国の文民統制の問題を考えるよすがとして、以下の三点のみを指摘しておきたい。 ? 軍へのコンセンサス 表?−1は、少し古いが(一九七〇年)、何をもってフランス国家の重要な要素とするかを尋ねた世論調査の結果である。大統領および政府、つまり行政権の方が、国民の直接選挙で選出した代議士より以上に国家を体現するものと考えられているが、ここで注目すべきは、軍隊が国家の構成要素だとするものが、八八%もいることである。このような国家の構成要素としての軍の存在への広汎なコンセンサスは、ある意味で現在の日本とは対照的であるが、それはまた、政府の正統性が揺いだとき、国家と政府を分離することによって政治の統制に屈しない口実をも与えることになる。 ? 三種の軍隊の役割分担 次は、日本と異なる第二点は、徴兵からなる正規軍の他に、M憲兵隊、桝外人部隊が存在することである。 まず第一の憲兵隊(ジャンダルムリ⊥ は、軍隊の一部であるが、具体的には警察機能を果たしており、国内治安の任にあたっている。 第二の外人部隊は、一八三一年三月一〇日、当時のルイ・フィリップ王の命令で生まれた精鋭部隊であり、現在その数は八、000人である。これは、傭兵であり、契約でフランスのために血を流すことを決めた外国人よりなる部隊である。 ところで、これら二種の部隊の存在は、政軍関係からみてどのような意味を持っているのであろうか。 まず第一は、憲兵隊の存在のおかげで、たとえばデモの鎮圧などきわめて政治的意味の強い行為を正規軍が行わなくてすむことである。 次の外人部隊であるが、これは義務兵役制の欠陥を補う意味を持っている。まず第一に彼らは、わずか一年しかない義務兵役期間にフランス人兵士が習得できないような高度の軍事技術を徹底して訓練される。そして第二に、平時には新兵を紛争地帯に派遣するのには議会の承認が必要なので緊急の場合に間に合わないため、外人部隊が出動するという事情がある。こうして、外人部隊は海外介入戦力となる。この海外介人は、多くの政治的問題を惹起するが、ここでもまた外人部隊の存在のおかげで、フランス人からなる正規軍が政治に巻き込まれる度合が少なくなっているといえる。 このように、国内治安、海外介入という極度に政治的になりがちな任務から、徴兵制よりなる正規軍がまぬがれていることは、それだけ文民統制を容易にするといえよう。
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