県庁を変えた「ひとり1改革運動」 みんなで改革・大きな成果

大坪檀, 北大路信郷【監修】, 静岡県, 静岡総合研究機構【編著】

• 販売会社／発売会社: 時事通信出版局/時事通信社
• 発売年月日: 2007/10/25
• JAN: 9784788707726

商品レビュー

2015/10/31

静岡県庁で取り組まれている改革・改善運動である「ひとり１改革運動」の経緯と意義、成果をまとめている。具体的な改革・改善事例も豊富に紹介されており、行政関係者なら興味深く読むことができるだろう。
静岡県の「ひとり１改革運動」は、県庁職員の中で改革・改善が当たり前という雰囲気を作った点が素晴らしいと思う。その秘訣としては、「手間をかけない」や「マネ・パクリ大歓迎」といった方針が大きいのだと思う。
そもそも、「ひとり１改革運動」は、静岡県が勧める新公共経営（ＮＰＭ）の一環として取り組まれているものであるが、この静岡県のＮＰＭの仕組みは、自治体の経営システムとして一つの優れた典型となるものであると思う。特に、総合計画で目的とした「アウトカム」を実現するための手段としての「業務棚卸表」は、事務事業評価の類よりも政策評価制度として有効だと思われる。
紹介されている具体的な改革・改善事例としては、「介護支援専門員実務研究受講試験で前年度受験者の証明書添付をやめる」「釣り「禁止」から「開放」に思い切ってかえる」「新しい発想で大井川橋周辺の渋滞解消」「現場監督業務を当番者が一括して行う方法に思い切ってかえる」「治山工事で発生する竹を暗渠管に利用、９６％経費削減」「自動車税と軽自動車税を比べた「読むポスター」」「２つの工事現場の発生土を入れかえて２，３００万円縮減」「介護福祉士等の修学資金の請求書をやめる」「道路整備手法をかえて経済効果３００億円」などが印象深かった。

2012/07/25

通り一遍の小手先の改革ではなく実際に役に立つ効率的な改革を目指し、小さなところから、できるところから実践する。しかも改善、改革を楽しんで行っているところが良い。掲載された実例はどれもこれも見開き２ページでまとめられており分かりやすい。Ｂ５サイズにまとめれば、パソコンの画面で一目で見られプリントアウトの必要はない。安穏とはしておれない衝迫に突き動かされた。

2010/09/23

図書館で借りた。

静岡県の実施した業務改革の方法と改革内容を紹介している。

工事で出た土を別の工事で出た土と交換する、という事例に驚いた。互いに必要とする土が互いのいらないものだということに気付き、購入することなしに必要なものを得たのはすごいと思う。

当時の静岡の広報紙にこのような事例が紹介されたのか、取り組み自体が具体例をつけて公開されていたのか、少し気になる。