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鏡の告白
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2007/10/26 |
JAN | 9784062143066 |
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鏡の告白
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商品レビュー
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9件のお客様レビュー
「フラウ」という雑誌で以前連載されていたもので、中村うさぎさんが人生の途上で突然「心の病」という穴に落っこちてしまった女性を訪ね、彼女たちの「苦しみと再生の物語」を語ってもらった、というもの。 10人の女性の抱える生きづらさや苦しみと、一筋の光が見えました。 話を聞く中村さん自...
「フラウ」という雑誌で以前連載されていたもので、中村うさぎさんが人生の途上で突然「心の病」という穴に落っこちてしまった女性を訪ね、彼女たちの「苦しみと再生の物語」を語ってもらった、というもの。 10人の女性の抱える生きづらさや苦しみと、一筋の光が見えました。 話を聞く中村さん自身が「買い物依存症」「DV被害者」などのコントロールのきかない苦しみと向き合ってきた過去がある。いわば、当事者である。 支援者やあるいは新聞記者による聞き取りの話は読んだことがあるけれど、こんな風な、当事者目線での聞き取りって…そういえば初めてかもしれない、ととても新鮮な気持ちでした。内容は、とても重たいけれど。 突発的な自殺衝動、DV男との共依存、特定のもの・人への依存などなど、語られる内容は苦しいもの。 何かの折に自殺未遂をして救急搬送されて。あるいは心療内科に通うようになって。などのことはあるけれど、基本的に同じ社会に同じように生きている女性ばかりで、「自分とは違う人」だなんてとても思えない。 蓄積された心の傷が屈折した形として表出されるのはよくあることで、中でも根深いのや母娘関係や性的虐待、と思うけれど、連鎖していくのを見ると、本当にやるせない気持ちになる。 それでも人であったり、物であったり、自分を客観的に顧みて正しく傷を傷と認められたり、自分を大切にできるようになったりすることで前に進めるようになる人がいることも救いである。 そしてそれは与えられるものではなく、運にも近いような自分にとって適したタイミングで出会うことでしか手に入らないものであるような気がしている。 ところどころでうさぎさんの語る言葉がとても胸に刺さります。 ”自分を大切にしろ、と、人は説教する。援助交際や自傷行為や、破滅的な生き方をするも者に向かって吐かれる「もっと自分を大切にしなさい」という言葉を、何度耳にしてきただろう。だが、その人たちには、わかっているのか。自己肯定感が薄く、常に欠落感や劣等感を抱えて生きている者たちにとって、「自分を大切にする」ことがどんなに難しいか。「自分を大切にする」という感覚を本当に獲得するために、私たちがどれだけ苦しい地獄を通り抜けねばならないのか、を。摂食障害も自傷行為も依存症も、そのための儀式なのだ。不器用な者たちが必死で「自分」を獲得し、己に対しても他者に対しても「私は私を大切にしたいの」と言えるようになるための、死に物狂いの通過儀礼なのだ。”
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アイデンティティというものが崩れていく瞬間、人は戦慄するほどの恐怖に晒される。足元の大地が突然消滅して真っ暗な穴の中に落ちていくような感じ。本書には人生の途上で突然、心の病という穴に落ちてしまった女性十人の再生への道のりが綴られている。美容整形依存や摂食障害、あるいは知的で有能な...
アイデンティティというものが崩れていく瞬間、人は戦慄するほどの恐怖に晒される。足元の大地が突然消滅して真っ暗な穴の中に落ちていくような感じ。本書には人生の途上で突然、心の病という穴に落ちてしまった女性十人の再生への道のりが綴られている。美容整形依存や摂食障害、あるいは知的で有能な女性、対象はさまざま。人間は弱い。と同時に人間は強い。己の弱さに負けることはあっても、必ず己を再生できる強さを持っていることを教えてくれる。著者自身が買い物依存症と診断され、心の病に陥る過去を持つ。自身の経験した喪失感や存在感が随所に裏打ちされている。他人に救われ救いながら生きている。実感の純度は極めて高い。
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それぞれの闇をかかえた10人の女性を、中村うさぎがその背後にあるものを読み解く。 彼女たちの境遇―例えば拒食症、リストカット、整形依存など―は、それを上辺だけを見る限り、自分とはかけ離れた別世界の出来事だ。ただ読み進めていくと、自分の心の内と紙一重であることに気付く。多くは自分に...
それぞれの闇をかかえた10人の女性を、中村うさぎがその背後にあるものを読み解く。 彼女たちの境遇―例えば拒食症、リストカット、整形依存など―は、それを上辺だけを見る限り、自分とはかけ離れた別世界の出来事だ。ただ読み進めていくと、自分の心の内と紙一重であることに気付く。多くは自分に何かが欠落していると「思い込む」ことから、深い闇へと引きずり込まれている、とそんな印象を受ける。彼女たちは外の世界を変えようとせず、自分を変えようとした結果、自分をどんどん傷つけてしまう。外の世界を支配しようとする傾向にある男とは対象的だ。 「大人になるということは、親を許してあげられるようになることだ(P44)」と、中村うさぎは言う。親だって一人の人間であり、弱さと未熟さを抱えながら生きていると。誰もが成熟した人間でありたいと願い、それを実現できない自分にはがゆい気持ちを抱く。そんな自分の中の未熟さと上手く付き合っていけることができるようになることこそ、大人になった証なのかもしれない。
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