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私の弟
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館スクウェア |
発売年月日 | 2005/11/01 |
JAN | 9784797986884 |
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私の弟
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本書は、著者が、ディスレクシアの弟のことを書いた作品である。 彼の特徴に長所とか短所といった評価を与えずに、 淡々と同じ比重で書いていっているのが良い。 「私の弟は右と左をよく間違える」と書いてあると、 苦手なことや欠点のように見える。 が、次にこう続く。 「小さい時右手...
本書は、著者が、ディスレクシアの弟のことを書いた作品である。 彼の特徴に長所とか短所といった評価を与えずに、 淡々と同じ比重で書いていっているのが良い。 「私の弟は右と左をよく間違える」と書いてあると、 苦手なことや欠点のように見える。 が、次にこう続く。 「小さい時右手でも左手でもスプーンが上手に使えた。 今は両手でピンポンができる」。 これは、なかなか器用で、悪くないなぁ。 書き手は、淡々と書いているのに、ひとつひとつの特徴を評価してしまっている自分に気づく。 「地図が苦手なのは右と左が分からないからなのかな。 でも一度行ったところには迷わず行ける。景色を覚えちゃうんだって」。 苦手なことと、それをどう克服しているのかをさりげなく書いていく。 「いっぺんにたくさん用事を言いつけないでね。 最初か最後しか覚えられないから」。 著者にたくさんの買い物を頼まれている絵。 著者の持つリストにはたっくさんの買い物が書かれている様子。 でも、彼が買ってきたのは、「にんじん」と「パン」だけというコミカルなイラスト。 実際には、本人にとっても周りにとっても深刻なことだけど、 イラストと同様、リアルでもきっとその失敗のおもしろさを ふふっと笑ってしまったりもするんだろうな。 でも、得意なこと夢中になることもたくさんあるけれど、 何かと悪いところが目立ってしまう悲しさが弟にはあるのだ。 得意なことと苦手なことがさらに書かれていく。 短い文章の一息ごとに、イラストがはさまれていて、 文章にも読みやすいリズム感があって、引き込まれていく。 本で読んだことは覚えられないけれど (本を持っているけれどもぼーっとした顔の弟) テレビで見たことはいつまでもおぼえている。 (テレビの前で身振り手振りで語る弟) 嫌いなことはすぐいやになっちゃうけれど (ふてくされた顔の弟) 好きなことをしていると時間を忘れる。 (ルービックキューブにハマる弟の後姿) という感じだ。 著者(姉)と弟の対等な関係も描かれている。 「作文は私が教えた。ゲームは弟が教えてくれた」。 「誰にでも上手にできることとできないことがある。 弟がみんなと違うのかな。私がみんなと違うのかな」。 多くの人は、「弟がみんなと違う」で止まる。 著者は、それと同じくらいに「私がみんなと違う」までに自然と思い至る。 それは、なぜか。 その答えのひとつは、おばさんも、いとこも、お父さんも、 弟と同じ特徴を持っていて、 著者とお母さんが同じ特徴を持っていることにあるだろう。 彼女の家族は、ディスレクシアの方が、多数派であるらしい。 弟の特徴をずっと紹介している前半は、 ディスレクシアという言葉は出てこなくて、 後半にはじめて出てきて、終わりにディスレクシアについての説明がある。 ディスレクシアを理解してもらうことが目的の本なのだが、 無理せずにすっと読める1冊である。
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