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望みは何と訊かれたら
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望みは何と訊かれたら

小池真理子【著】

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望みは何と訊かれたら

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2007/10/20
JAN 9784104098088

望みは何と訊かれたら

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商品レビュー

3.7

22件のお客様レビュー

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2022/01/24

大人の恋愛小説を味わいつつ、私自身の学生時代の謎が少し解けた読書体験だった。 昔の男性との思い出をこんな風に情熱的に思い出せるのは素直に羨ましい。流れにまかせてその時々の男性に身を委ねてきた主人公だが、意外と侮れない。当時の大場に対する思いも誤魔化しなく認めて整理できているあた...

大人の恋愛小説を味わいつつ、私自身の学生時代の謎が少し解けた読書体験だった。 昔の男性との思い出をこんな風に情熱的に思い出せるのは素直に羨ましい。流れにまかせてその時々の男性に身を委ねてきた主人公だが、意外と侮れない。当時の大場に対する思いも誤魔化しなく認めて整理できているあたり、かなり頭の良い人物なんだろうなぁ。 普通の人たちが学生運動に入っていく空気感も納得できた。時代が重なれば多分私も似たようなところに足を踏み入れていたんだろう。自主ゼミで知り合った人が「もっといろんな話をざっくばらんにしようよ」なんて誘ってくれてだんだんその場所に居場所ができるようになり…リーダーといい感じの関係になってきて…うんうん、想像できるできる。 卒業から10年経つが、私の出身大には当時まだ学生運動の空気が残っていて、年に一度機動隊がやってきていた。デカいことをしよう!とデカい声で叫びビラを配っている彼らのやりたいことがよく分からず、私は距離を取っていた。なぜこんなことにこんなに時間を使っているのか理解できなかったのだが、この本を読んでなんとなく彼らの気持ちに近づけたような…?気がする。

Posted by ブクログ

2017/10/19

読了日2011/10 学生運動、浅間山荘事件、三島由紀夫、連合赤軍。。。 言葉は知っていても、詳しい内容は殆ど知らない世界、時代。 ブント、革マル、赤軍派、べ平連、全共闘、セクト、アジビラ、アジ演説、オルグ・・・ 初めて聞く単語がたくさん出てきて調べながら読書。脱線、脱線で時間...

読了日2011/10 学生運動、浅間山荘事件、三島由紀夫、連合赤軍。。。 言葉は知っていても、詳しい内容は殆ど知らない世界、時代。 ブント、革マル、赤軍派、べ平連、全共闘、セクト、アジビラ、アジ演説、オルグ・・・ 初めて聞く単語がたくさん出てきて調べながら読書。脱線、脱線で時間がかかってしまったけど、面白かった。 その当時の日本で何が起こっていたのか、日本の若者が何を思っていたのか、少し分かりました

Posted by ブクログ

2013/08/19

70年安保の時代、武力革命論や文学談義をもてあそぶセクトのリーダー大場に惹かれるまま、爆弾製造そしてリンチ殺人にまで関わってしまった21歳の沙織はアジトを脱走、衰弱して動けないところを19歳の吾郎に匿われることになる。 「革命」に疲れ傷ついた娘が、安心して依存できる誰かの下で濃密...

70年安保の時代、武力革命論や文学談義をもてあそぶセクトのリーダー大場に惹かれるまま、爆弾製造そしてリンチ殺人にまで関わってしまった21歳の沙織はアジトを脱走、衰弱して動けないところを19歳の吾郎に匿われることになる。 「革命」に疲れ傷ついた娘が、安心して依存できる誰かの下で濃密な性愛のときを過ごすという基本的な骨格は、前作『恋』とまったく同じだ。この作家にとって「あの時代」とは、背伸びしてふりまわす革命論議と性愛、そして幼児めいた依存であるらしい。 自分は常に「本質」を追い求めてきたのだと、この小説の主人公は言う。しかし彼女がしているのは、自分の力で「本質」に到達することではなく、「本質」をあたえてくれそうな誰かを求め、すがることだけだ(『恋』の主人公と同様に)。彼女がしがみつく大場と吾郎は対照的な人間だが、作中で彼女はどちらのことも「神」と表現している。そのことに作家自身は気がついているのだろうか? もちろん、当時の若者をただ断罪するつもりはない。その時代にもし自分が生きていたら、同じことをした可能性の方が高いと思う。それでも残念でならないのは、そのような体験を経てきたこの作家が、革命という名で他者に依存していた若い娘を批判的に内省し、こんどこそ自分ひとりの力で社会と対峙しようとするヒロインを描けていないということだ。端的にいえば、小池真理子の描く女性たちは、闘うことをやめてしまっている。社会に向き合わず、かつての世間から隔絶された性愛の世界にたてこもっているだけ。「あの時代」から得られたことがそれだけだなんて、あまりにも情けない。 たぶんこれ以上、小池真理子の作品を読むことはもうないと思う。

Posted by ブクログ

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