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オリンポスの果実 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1983/02/10 |
JAN | 9784101076010 |
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オリンポスの果実
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オリンポスの果実
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商品レビュー
3.6
15件のお客様レビュー
太宰治に師事し、師の墓前で命を絶った激情の作家。強靭な体躯で1932年ロサンゼルスオリンピックのボート代表に選ばれたのとは裏腹に繊細な文学青年的な心情を持つ主人公。これは作者本人を重ね合わせた人物でもある。本作は主人公が船内で出会った同じく日本代表団の女性に熱烈に恋し、その恋の熱...
太宰治に師事し、師の墓前で命を絶った激情の作家。強靭な体躯で1932年ロサンゼルスオリンピックのボート代表に選ばれたのとは裏腹に繊細な文学青年的な心情を持つ主人公。これは作者本人を重ね合わせた人物でもある。本作は主人公が船内で出会った同じく日本代表団の女性に熱烈に恋し、その恋の熱をしたためた手紙が延々と続くという不思議な形態を取っている。古めかしい単語のひとつひとつが良いスパイスとなっていて、この時代の空気感が上手く伝わってきた。不思議で妙なんだけれども良い、そんな小説。
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描写が細かくて、みずみずしい果実のよう。 だからオリンポスの果実なのかな 明治期の仮名遣いが好き。 ボートじゃなく、ボオト。 モジモジしてて素直で頑固、朴訥なんだなぁ。 田中英光の他の本も読んでみようと思った。
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1932年のロサンゼルス・オリンピックに出場したのち 社会主義活動を経て文学の道に入り めちゃくちゃな恋愛と早まった結婚をして さらに就職、そして従軍 帰国後には太宰治の弟子になったという そういう人らしい 太宰が死んだ翌年、墓前で自殺した その少し前には愛人を刺して殺しかけたん...
1932年のロサンゼルス・オリンピックに出場したのち 社会主義活動を経て文学の道に入り めちゃくちゃな恋愛と早まった結婚をして さらに就職、そして従軍 帰国後には太宰治の弟子になったという そういう人らしい 太宰が死んだ翌年、墓前で自殺した その少し前には愛人を刺して殺しかけたんだって やばい 「オリンポスの果実」は 前線から帰還した後(1940)に書かれたものであるようだ オリンピックで渡米したときの思い出をつづっている とある女子選手と仲良くなって、みんなに冷やかされたり 不真面目だとなじられたりする 外国への船旅で高揚した気分を、恋と勘違いしていたのか よくわからないが それは、傍目には冒険の旅でもなんでもなく ただ行って、負けて、帰ってきただけのツアー旅行にすぎなかった 舞い上がってんじゃねえよ、とからかいたくなる周りの気持ちは まったくわからんでもない、それは だれにでもある、自分のなかの幼さを 目の前に突きつけられてるようなものだ 作者は、戦場で多くの死を目撃したあとだからこそ その幼さを客観的に、肯定的に回想できるようになったのかもしれん 芽を出さない種のまま 胸にしまわれたそれを小説という形で実らせることができたというのは しかし、だとすれば最後の 「あなたは、いったい、ぼくが好きだったのでしょうか」 という問いかけ これはじつに、作者自身、空虚な問いとわかって聞いているような そういう苦味があるよね
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