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夢判断 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1983/02/25 |
JAN | 9784101255026 |
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商品レビュー
4.3
8件のお客様レビュー
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阿刀田高著『夢判断(新潮文庫)』(新潮社) 1983.1発行 2020.5.11読了 相変わらずの切れ味の鋭さで読者を楽しませてくれる。解説で中島河太郎氏が、三橋一夫氏との比較で述べているとおり、本書で筆者が取り扱っているのは、「われわれの日常、身辺に起こり得る無気味なもの」...
阿刀田高著『夢判断(新潮文庫)』(新潮社) 1983.1発行 2020.5.11読了 相変わらずの切れ味の鋭さで読者を楽しませてくれる。解説で中島河太郎氏が、三橋一夫氏との比較で述べているとおり、本書で筆者が取り扱っているのは、「われわれの日常、身辺に起こり得る無気味なもの」(p343)である。片や三橋一夫氏の作品は、「在来の幻想小説より一歩抜きん出て、奇妙な世界との接触が現実的に捉えられている」が、「兎や鼠などと交流をもつ男や、姿見にはいりこんで別の人生を経験する青年が現われるなど」「作者と共に幻想世界に跳びこめないものは、戸惑って立ちどまってしまいがち」なものであった。阿刀田高の作品はよく「奇妙な味」と称せられるが、端的に言えば、中島河太郎氏が言うとおり「白昼の戦慄」を語る作家との表現が一番しっくりくる。 例えば「海が呼ぶ」などは謎解きに焦点を置いた作品と言えるが、「自殺クラブ」などは薄ら寒い恐怖を覚える。「演技」はやわらかい導入部分から始まるが、最後の答え合わせで全てがピラミッド状に構成されていたことが判明し、著者の老練な文章力・構成力がうかがわれる。 中でも私が一段面白く感じたのは「紅白梅の女」である。おそらくは、小林太市郎著「光琳と乾山」からヒントを得て膨らませた短編と思われるが、男女の恋の駆け引きの物語のように見せかけながら、最後に「紅白梅図屏風」をモチーフに、小林太市郎氏の解釈を忍ばせて、不思議な余韻をもたらしてくれる。この手の筋運びもさすが阿刀田高、素晴らしい手腕である。 https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001603511
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