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書庫の母
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書庫の母

辻井喬【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2007/10/15
JAN 9784062141697

書庫の母

¥220

商品レビュー

3.7

3件のお客様レビュー

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2010/04/15

文学する財界人としてしられる堤清二。 その詩人、作家としての名前は辻井喬。 今回読んだのは辻井の「書庫の母」という短編集。  死んだ友人、死んだ妹を思い返しながら、自身の青春時代を振り返る「落葉」。転居のため書庫を整理しながら、母の別の姿を見つける「書庫の母」。パリで死んだ妹の...

文学する財界人としてしられる堤清二。 その詩人、作家としての名前は辻井喬。 今回読んだのは辻井の「書庫の母」という短編集。  死んだ友人、死んだ妹を思い返しながら、自身の青春時代を振り返る「落葉」。転居のため書庫を整理しながら、母の別の姿を見つける「書庫の母」。パリで死んだ妹の行き方を鏡にして、日本に生きる自分を映し出す「いもうと探し」。実業家として成功した父と、弟への思いをつづる「襲い詫状」。歌人として死刑囚と交流する母の心の軌跡を追う「死刑囚と母」。年老いた女流評論家の日常を淡々と描く「余生」。  各作品のどこかに、経営者と文学者の二足のわらじをはいた作者の姿が投影されていて、非常に興味深く読めた。  いずれも「家族」「死」「老い」が通奏低音のように流れている。けれど陰鬱な印象はない。どこか浮世離れしている感じがある。    家族に対しても、べったりの愛情という描き方はない。静かに、しっかりと相手の姿をつかもうという思いが伝わってくる。そんな短編集だった。  美しい装画は今井俊満の「The Flow of waters」。  時の流れを思わせる画だ。

Posted by ブクログ

2008/04/07

表題作のほか、5編の物語が載っている。 みな今は亡き人について色々な角度から語られている。 もし自分がいなくなったあと、どんな風に思い出して 貰うのが素敵だろうか?(「書庫の母」で描かれている事とは趣旨が違うが) と考えた時、本棚にある本から自分を辿って貰うというのも 良いかもし...

表題作のほか、5編の物語が載っている。 みな今は亡き人について色々な角度から語られている。 もし自分がいなくなったあと、どんな風に思い出して 貰うのが素敵だろうか?(「書庫の母」で描かれている事とは趣旨が違うが) と考えた時、本棚にある本から自分を辿って貰うというのも 良いかもしれないと思う。あぁ、こんな人だったなと 思う本もあるだろうし、え、こんなものに興味があったんだなと 意外な本も見つかるだろう。「書庫の母」では、亡くなった母の 本棚を息子が整理している時、母が持っていた本・持たなかった本 から息子が母の人生の軌跡を辿るという話。 本好きな方なら、このお話は中々良いんではないかなーと思う。 …これからは吟味して本を買わなくちゃwwwなどと1人苦笑いの私。

Posted by ブクログ

2008/01/04

一代で稀代の創業者となった父親とその逃れることのできない宿命の中で生き続けなければならない母と子ども達。短歌に自分の活路を見出した母の書庫の整理によって浮かび上がるさまざまな記憶とその分析。表題作に象徴されるテーマが、他の短編にも通底する。じっくりと読める。今井俊満の表紙が風雅。

Posted by ブクログ

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