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星と祭 新装版(下) 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2007/10/24 |
JAN | 9784041216361 |
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商品レビュー
3.3
4件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
架山のエベレスト観月旅行から始まる。いつかテレビで紹介していた「エベレスト街道の旅」を思い出しながら、エベレストの勇姿を描く。2020年以降、海外旅行が思い通りにならない現在であるが、いつかは登山をと考えていたが、数十年前に実現されていたことに感銘を受けてしまった。現在と比べて、どれほど、大変な旅行だったのだろうか。それゆえ、どれほどの「永劫」とか「宿命」といったものを感じることができたのでしょうか?東北の海に、夜空に私たちが感じる「永劫」とか「宿命」といったものと比べて。 そして、春の満月の下、琵琶湖に船を浮かべて二人の供養をする架山は、『殯』を終わらせてお墓にまつる。十一面観音と月と湖に、運命を沈める父親の姿が目に浮かぶ。 エベレスト街道はどうなるかわからないけど、琵琶湖湖畔の十一面観音を巡ってみたいと思って本を閉じた。 印象的なフレーズは: ★この石に、ラマ教の経文を刻んだ人のことを考えた。いつ刻んだのか、いかなる人が刻んだのか知らないが、判っていることは、これが自分一人のための祈りではないということである。 ★人は生まれ、人は死んで行く。ただそれだけのことである。生まれる意味もなければ、死んで行く意味もなさそうであった。そんなことを、いま大地の真上にかかっている月は言っているようである。 ★瞬間言い知れぬ畏怖感に襲われた。深夜こんなところをうろついていると、何となく一人一人、消えてゆきそうな気がする。ここはみなが必死に神に祈って生きているヒマラヤ山地なのである。深夜うろつき歩くような場所ではないに違いなかった。 ★どんなに生きにくい条件があっても、なおそこから離れないで、そこに定着している人間があるということを知った。生きにくい条件の中で、神に祈って生きている。打たれたね。 ★自分の過去にどれだけの時間が降り積んでいるか知らない。何事が起ったか、いかなることがあったか、一切知らない。自分はただこうしていつも一人で立っていただけである。――小さい十一面観音像はそう言っているかのようである
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過去に行ったヒマラヤトレッキングと重ねながら一気に読んだ。最後の描写はすごかった。下巻も涙腺が緩んだ。 『氷壁』を読んだときは思わなかったが井上靖の綴る描写が美しく素晴らしい。他の作品も読みたくなった。
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立ち直れない辛さの中で一筋の希望、それは宗教的な救いとヒマラヤの村の祈り。エベレストが目的で読んだ本だったが、悲惨な設定には何度も挫けそうになった。エンディングとしては納得だが、十一面観音はまだそんな心境にはなれず理解は難しい。どうすれば永劫という悟りにたどり着き、殯があけるのだ...
立ち直れない辛さの中で一筋の希望、それは宗教的な救いとヒマラヤの村の祈り。エベレストが目的で読んだ本だったが、悲惨な設定には何度も挫けそうになった。エンディングとしては納得だが、十一面観音はまだそんな心境にはなれず理解は難しい。どうすれば永劫という悟りにたどり着き、殯があけるのだろう。諦めとはどう違うのだろう。琵琶湖はいいとして、いつかナムチェバザールやポカラを歩き、祈りと天空の山を実感してみたい。
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