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あらあら かしこ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1982/10/01 |
JAN | 9784062002691 |
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あらあら かしこ
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「ブックマーク」83号掲載のPさん(このミニコミを始めた人)の古文書に出てくる本を探して、こないだは『主婦の天気図』を読んでみたが、ハズレだった。 図書館に所蔵のある本をいろいろ調べて候補をしぼりこみ、まずこの『あらあらかしこ』を取り寄せてみたら、これがアタリだった。 P...
「ブックマーク」83号掲載のPさん(このミニコミを始めた人)の古文書に出てくる本を探して、こないだは『主婦の天気図』を読んでみたが、ハズレだった。 図書館に所蔵のある本をいろいろ調べて候補をしぼりこみ、まずこの『あらあらかしこ』を取り寄せてみたら、これがアタリだった。 Pさんが引用していたのは、167~170ページの「時はすぎゆく」という文章の一部。Pさんが引いた以外のところに、こんなことも書いてある。 ▼日常生活の中で、だれでも経験していること、ドラマチックなことは何も起こらない主婦の心のなかのこと、こんなことが小説のテーマになるなどと思われないことを、バージニア/ウルフは、その繊細な感受性ですくいあげ、描き出してみせてくれるのです。(p.169) ▼私には、ウルフの才能も学識もないけれど、それゆえに、主婦の資格は増しているかもしれません。主婦という平凡な人間の、日常という平凡な生活のなかにある心のドラマを、ある新聞の連載というかたちで、一年三ヵ月書き続けてきました。主婦の喜怒哀楽をていねいに見つめて、正確に描くことが願いでした。(p.170) この、一年三ヵ月連載した…というのが、私がこないだ読んだ『主婦の天気図』らしい。そして、「時はすぎゆく」は、バージニア・ウルフの小説の話から書き出されているのだ。 で、Pさんの引用箇所を発見したあと、この本を読んだPさんがあれやこれやと記しているので、私もてっぺんから全部読んでみる。 私の印象に残った箇所は、こんなところ。 ▼専業主婦であれ、共働きの主婦であれ、子どもたちに家事を手伝ってもらうとき、教育的見地などという建前はださなくていい。 「お母さんは疲れていてできないから、あなたたちやってちょうだい」 と頼めばいい。それが本音なのですから。そして、過度に自分を犠牲にせずに、家族の協力を求めることは、人間としての尊厳を守ることでもあると、私は思っています。(p.25、「「助けて」と頼んでみたら?」) 「人間としての尊厳」といった文言が、ジンケン系の啓発モノではなくて、エッセイに出てくるところに興味をひかれた。 ▼私の共働きは、はじめから計画していたことでなく、はじめから信念があったわけでもありません。現実に直面して、時々に応じて、考えをかえつつ、試行錯誤で、なんとかやってまいりました。(p.35、「あの日、あの頃」) この「時々に応じて、考えをかえつつ、試行錯誤で」のところが現実に直面した実感に即していると思った。逆にいうと、そういう「現実」に向き合う必要が少なくなってくると、建前でぐいぐい押すことになったりするんかなーと思った。 ▼ひと目を気にするということは、文字どおり「ひと目を気にすること」ひとの目に自分はどううつるか。ひとは自分をどう評価するか。それは自分の年齢を意識して、とし相応のふるまいや、言葉遣いに気を配ることでしょう。…(略)… Decencyという英語があります。たいへん日本語に訳しにくい単語なので〈上品〉などといった訳語があてられますが、本当の意味は〈それらしくあること〉ではないかと思います。(p.226、「ひとの目」) decencyは、「まともな仕事」「人間らしい仕事」とも訳されるディーセントワークのdecentと同語源だと思うが、〈それらしくあること〉とか〈上品〉という訳語と、どうたどっていってつながるかなーと考えた。 装幀は本くに子。 (2/17了)
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