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直筆で読む「坊っちやん」 集英社新書ヴィジュアル版
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2007/10/22 |
JAN | 9784087204148 |
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直筆で読む「坊っちやん」
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商品レビュー
4
8件のお客様レビュー
写真版なんですけど、直筆です。「坊ちゃん」。こういうものが、無事残っていることにカンドー。全部読まなくても、覗いてみる価値は十分。 高校とかで、国語とかのセンセーしてる人とか、なりたい人は、必見。後ろに、樋口一葉の達筆の写真があって、比較すると笑ってしまうこと間違いなし。
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何年か前,松山出張のとき初めて「坊っちやん」を読んだ。書かれてから百年をこえたが,いきいきとした描写で,テンポも非常に軽快,今でもおもしろおかしく読める。子供でもじゅうぶん読める。さすがお札になるほどの文豪だ。樋口一葉も読んでみようか。今回自筆原稿を写真版で読むこの本が出たので...
何年か前,松山出張のとき初めて「坊っちやん」を読んだ。書かれてから百年をこえたが,いきいきとした描写で,テンポも非常に軽快,今でもおもしろおかしく読める。子供でもじゅうぶん読める。さすがお札になるほどの文豪だ。樋口一葉も読んでみようか。今回自筆原稿を写真版で読むこの本が出たので,読み返してみた。漱石研究家・秋山豊の解説と漱石の孫・房之介のエッセイがついている。 当然のことだが,自筆原稿は世界に一つしかない。掲載された雑誌「ホトトギス」の虚子が読んだほか,今に至るまで原本を手にとって通読したのは数人に過ぎないという。幸いこの「坊っちやん」は肉筆が完全に現存しているが,戦災などで失われたり,散佚したりして,百年も残るものは多くない。 原稿と印刷された作品は,同じものではない。今の文庫本など,かなづかいが全面的に改められているのは論外としても,発表当時から漱石の意図した表記と印刷された表記はずれている。なぜか。それは出版側の善意による手直しであったり,活字を拾った文選工,それを並べて組んだ植字工による誤植や原稿の読み違いであったり,そもそも漱石がうっかり誤記してしまったりすることによる。例えばこの作品で漱石は「小供」「子供」の二つの異なる表記を原稿用紙に書いているが,出版時には「子供」に統一されてしまったりする。「面」と「顔」,「右左」と「左右」など,こういうのは枚挙にいとまない。全集を編むときも,刊本をもとにすると,それにならうことになる。本人は,「小供」「子供」を使い分けていたようでもあるし,そうでないかもしれないのだが。それでも最新の全集では,なるべく自筆原稿に忠実に表記を見直したらしい。 漱石はこの作品を三週間で書き上げたといわれるが,原稿を眺めると,語尾を「だ」にするか「である」にするかなど,細かい表現で迷った跡や,推敲して削ったり足したりした箇所が意外と多いのに気づく。漱石自身は自分の肉筆がこんなに衆目に晒されるとは考えていなかっただろう。漱石が公表したのは,この原稿ではなく活字になった作品だ。だから,あえて原稿を写真で眺めるというのは,作品を鑑賞するのとは違った倒錯趣味かも知れないが,しかし単純に面白い。 読み始めると,まず変体仮名にとまどった。今見るひらがなとは全く違う文字が頻出する。当時はひとつのかなに対して複数の字体があったらしい。例えば「か」は「加」を崩したものだが,漱石は「可」を崩した文字をつかう。「の」の上に横棒のついたようなのである。また,漱石の「も」は横棒が一本しかないから「し」と紛らわしい。「は」は「む」から点をとったような字である。ほかにも,「た」「な」「れ」「に」などが今の形とは似ても似つかない。学校教育では当時すでに現在の字体に統一されていたらしいのだが。漢字も読みにくい。決して悪筆ではないのだが,旧字体を崩して書いているため,新字体に慣れた目にはすぐにはわからない。とはいっても欄外に注があるので特段問題ない。 孫の房之介は,あまり読みにくいので途中で読むのをあきらめたそうだ。初めの十頁も読めば要領はつかめると思うのだけど。まあ確かに活字を読むよりはずっと時間がかかる。忙しい人向けではない。ただ,実の孫であり,漫画家,エッセイストとして出版にかかわる人にして,読めないとほうりだしてしまうのは,文化の断絶を示すようですこし物寂しい。漱石は房之介が産まれる三十年以上前に死んでいる。年齢差も八十を超えていて,しかもじいさんは歴史的人物だから,二親等とはいえ孫からは遠い存在に感じられるのかも知れない。 年配の作家を除けば,最近の創作活動はどんどん電子化されてきているのだろう。そうすると後世の研究者は,作家の思考過程を跡づける重要な資料を手に入れることができなくなる。手書きノートの類は残る可能性があるとはいえ,そのうちユビキタスか何かが普及して,メモ等の断片も電子化されるに至れば,深い研究は阻害され,文学は衰退の一途をたどるのではないか。効率化もいいけれど,失われていくものも多い。
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(推薦者コメント) 『坊っちやん』は、夏目漱石の代表作の一つである。ここまで著名な作品となると、最早綺麗に印字された製本版ではなく、夏目直筆の原稿からも隠された意図が容易に浮かび上がってきそうだ。専門家はそれを論証すべく、高価な専門書や貴重な資料を漁る必要に迫られる。しかし、集英...
(推薦者コメント) 『坊っちやん』は、夏目漱石の代表作の一つである。ここまで著名な作品となると、最早綺麗に印字された製本版ではなく、夏目直筆の原稿からも隠された意図が容易に浮かび上がってきそうだ。専門家はそれを論証すべく、高価な専門書や貴重な資料を漁る必要に迫られる。しかし、集英社が今回、極めて安価な新書という媒体で直筆版を出すにあたった。これは称賛すべきことである。
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