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分岐点 双葉文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2007/10/20 |
JAN | 9784575511598 |
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商品レビュー
3.3
9件のお客様レビュー
P307 終戦間際、疎開する事も出来ず、教育を止められた少年が兵士よりも兵士の考えにさせられた悲しい物語。
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戦争という狂った時代のなかで、己を貫いた成瀬の話。 戦争というのは苦手だ。今後起こらない限り、知る術もない。実際に何が起こったか歴史は理解していても、実際に経験した人の話に共感することもできない。経験しないとその異常さはわからないだろうといつも思う。 その戦争をすんなり読めるフ...
戦争という狂った時代のなかで、己を貫いた成瀬の話。 戦争というのは苦手だ。今後起こらない限り、知る術もない。実際に何が起こったか歴史は理解していても、実際に経験した人の話に共感することもできない。経験しないとその異常さはわからないだろうといつも思う。 その戦争をすんなり読めるフィクションにしてくれるのが古処さんの作品である。個人的な意見ではあるが、とても読み易い。戦争ものだとわかっていても、不思議と惹かれて読んでしまう。 今回は殺人を告白する手紙から始まり、軍隊に入った中学生たちの終戦間近の日常が語られる。 全体的に戦争の悲惨さを物語るには充分過ぎるほどで、やっぱり戦争は嫌なものだ、早く終われば良いとそればかりが風潮だと思いがちだった。がしかし、湧き上がる感情はそれだけではないということを、改めて突きつけられた気がした。 成瀬を突き動かした衝動の理由は、むしろ現代なら当然のものである。戦争云々の前に、人であるから当然の怒りだ。しかしだからと云って、果たして彼が上官を殺すことが許されるのか。女学生が兵隊を殺すことが許されるのか。許す許さないの問題ではないが、どの思考も理解でき、そして間違っていると云えないのは戦争というものの性なのだろうか。 最後の最後がそこにつながるのかと納得はしたものの、あまりにもあっけない終わり方はまるで戦争のようで、少し物足りない感じがした。手紙という形態に少し期待を持ちすぎたかもしれない。
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太平洋戦争末期、陣地構築のため動員された中学生たち。その中学生の一人が指導軍人を刺殺し… 古処さんの戦争文学は戦争の悲惨さを感情的に描くのではなく、戦争という異常な状況下でさらに敗戦間際という今まで信じてきたもの全てが崩れ去ろうとしているという極限状況の中で、 誇りを持って...
太平洋戦争末期、陣地構築のため動員された中学生たち。その中学生の一人が指導軍人を刺殺し… 古処さんの戦争文学は戦争の悲惨さを感情的に描くのではなく、戦争という異常な状況下でさらに敗戦間際という今まで信じてきたもの全てが崩れ去ろうとしているという極限状況の中で、 誇りを持って生きようとするか、誇りを捨て利己的に生きようとするのか、そして誇りを持つために何を捨てなければならないのか、 そうした誇りを捨てる人の弱さ、誇りにすがる人の弱さというものを冷徹に見据えて書き上げている、そんな印象を持ちます。 この小説も舞台となる時代は米軍機がしょっちゅう空襲を仕掛け、国民や軍人もうすうすながら政府の流す戦争に関する情報の嘘を身体で分かってしまっている状態です。 そんな中でそれでも国の理想を信じようとした少年の姿は、理想しか人に与えようとしなかった当時の大戦の罪深さというものが現れているように思います。 古処さんの戦争小説は厳しい内容のものばかりですが、その時代だからこそ描かれる人の本質というものをしっかりと見据えているようで、惹きこまれてしまいます。
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