1,800円以上の注文で送料無料

ライセンシング戦略 日本企業の知財ビジネス 東京大学ものづくり経営研究シリーズ
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

ライセンシング戦略 日本企業の知財ビジネス 東京大学ものづくり経営研究シリーズ

高橋伸夫, 中野剛治【編著】

追加する に追加する

ライセンシング戦略 日本企業の知財ビジネス 東京大学ものづくり経営研究シリーズ

定価 ¥2,530

220 定価より2,310円(91%)おトク

獲得ポイント2P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 有斐閣
発売年月日 2007/10/05
JAN 9784641163034

ライセンシング戦略

¥220

商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

レビューを投稿

2011/02/08

 ライセンス・ビジネスにおいて知っておくべき考え方を、経営学的な視点や企業戦略的な視点など多角的に、そして全体的に教えてくれる本。企業側の知財戦略・大学の技術移転といったライセンシング戦略全体を概略的に一冊にまとめてくれている。以下、具体的に各章を見ていこう。  ライセンスに携わ...

 ライセンス・ビジネスにおいて知っておくべき考え方を、経営学的な視点や企業戦略的な視点など多角的に、そして全体的に教えてくれる本。企業側の知財戦略・大学の技術移転といったライセンシング戦略全体を概略的に一冊にまとめてくれている。以下、具体的に各章を見ていこう。  ライセンスに携わろうという企業のライセンス部隊の人や、大学の産学連携の人にとって、ライセンシング戦略をどうするか、さらに、ライセンス料の設定をどうするか、はいつも頭を使う仕事ではないだろうか。実務書にあたれば、ライセンス料の算出の根拠としてインカム・アプローチ等、様々なものが紹介されている。しかしこれという手法が定まっているわけではなく、「勘」と「経験」に基づく一定の相場観があると感じているのではないだろうか。  では、皆が考える相場観は、どのような考え方に基づくのだろうか。  本書では、2004年の青色LED訴訟を題材に、発明者の中村修二氏が、元勤務先の日亜化学に対して提訴した職務発明訴訟の、地裁判決で示された「発明の対価604億円」について、それがライセンスビジネスの相場観からするとありえないことを説明していく。なぜありえないのか、これを経営学的な5つの視点に基づいて説明していく。特許権の金銭的価値は、科学的な価値ではなく経営的価値に依存するのだ。皆が考える相場観には、これらの視点が暗黙的に、潜在的に埋め込まれているのかもしれない。その意味で参考になる。  次に、企業における知財戦略、ライセンシング戦略とはどのようなものか。本書では、元・東芝の代表取締役・専務による、東芝におけるライセンシング戦略が綴られる。企業がどのように特許を見ているか、その使い方を知る上で参考になる。失敗した東芝アンペックスのライセンス戦略の事例や、医療用機器における東芝とGEの、静かな争いは興味深い。GEと東芝は、互いに侵害の可能性を自覚しながらお互いに侵害警告は出さなかった。事業戦略を支える知財戦略の考え方を示唆してくれる。  本書は、さらに、技術移転の歴史と考え方について、米国や欧州、日本の状況をうまく整理している章を用意している。これは産学連携コーディネーターを志す人の役に立つ。大学の特許出願をするか否かの指針やライセンス候補決定の大まかな方針など、実務者の考え方を知ることができ、産学連携コーディネーター志望者にとっては参考になるはずである。  特にベンチャー起業という手段による技術移転の課題を豊富に記載している。例えば、3億円という豊富な資金を調達しながら、一度も売上を上げることなく活動を終えたベンチャーがあった。なぜこうなったのだろう。本書では、特許中心のベンチャービジネス成功にはチームビルディングの能力が欠かせないことを指摘する。  本書の後半は、ソフトウェアのライセンス紛争に関する物語である。ソフトウェア発展のためには、使用はフリーであるべきなのだろうか?産学連携の現場でも、ソフトウェアのライセンスはまま見られる。ソフトウェアの利用に対する開発者たちの考え方は、参考になるはずである。  読み物としても面白い。Linuxはなぜ急速に普及したのであろうか?無償でオープンソースであったから、それが決定的に重要な要因だったのであろうか?Linuxとマイクロソフトは、無償×有償、オープンソース×クローズドソースという両極端の体裁をとっているが、発展の経緯を見ていくと、実は共通点が多いことがわかる。なぜ、Linuxの成長は、再現が不可能な「奇跡」なのだろうか。ソフトウェアが普及するためには、技術的な特徴や利用の制限だけでは推し量れないことを教えてくれるだろう。

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品