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黄昏のベルリン 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2007/10/10 |
JAN | 9784167420161 |
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黄昏のベルリン
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商品レビュー
3.4
23件のお客様レビュー
斬新な文章構造。一番の印象は、それ。段落を使わずに主眼が変わることで、スピード感と臨場感が高まるなーと驚きながら読み進めました。 肝心の本編は、スケールが大き過ぎて多少面食らったけど、統一前のドイツの特性を活かした展開は、なるほどなーと思わされました。背景にあるナチや、人物の気持...
斬新な文章構造。一番の印象は、それ。段落を使わずに主眼が変わることで、スピード感と臨場感が高まるなーと驚きながら読み進めました。 肝心の本編は、スケールが大き過ぎて多少面食らったけど、統一前のドイツの特性を活かした展開は、なるほどなーと思わされました。背景にあるナチや、人物の気持ちが理解するのが難しかった。描写自体は緻密なので、映画を観てるみたいな感覚。
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「連城三紀彦」の長篇ミステリ作品『黄昏のベルリン』を読みました。 『夜よ鼠たちのために』、『運命の八分休符』に続き、「連城三紀彦」の作品です。 -----story------------- 画家「青木優二」は謎のドイツ人女性「エルザ」から、第二次大戦中、ナチスの強制収容所でユ...
「連城三紀彦」の長篇ミステリ作品『黄昏のベルリン』を読みました。 『夜よ鼠たちのために』、『運命の八分休符』に続き、「連城三紀彦」の作品です。 -----story------------- 画家「青木優二」は謎のドイツ人女性「エルザ」から、第二次大戦中、ナチスの強制収容所でユダヤ人の父親と日本人の母親の間に生まれた子供が自分だと知らされる。 平穏な生活から一転、謀略渦巻くヨーロッパへ旅立つ「青木」。 1988年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位に輝いた幻の傑作ミステリーがいま甦る。 ----------------------- 1988年(昭和63年)に発表されたスパイ小説… 東西ベルリンに集まるスパイ群像を描いた幻の傑作とも呼ばれている作品です。 ■一章 最後の一日 ■二章 過去への国境線 ■三章 亡霊たち ■四章 第三のベルリン ■五章 黄昏から夜へ ■解説 戸川安宣 日本人の母親、外国人の父親を持つ画家の「青木優二」は、見知らぬドイツ人女性「エルザ」から接触を受けた… 「エルザ」によれば第二次大戦中、ナチスドイツのユダヤ人収容所ガウアーで、ユダヤ人の父親と日本人の母親の間に生れた赤ん坊が「青木」だと言うのだ、、、 「青木」は平穏な生活から一転、謀略が渦巻くヨーロッパへ旅立つ… 四十余年を隔てて蘇える驚異の謎とは何か? 東京―パリ―ベルリン―ニューヨーク―リオデジャネイロを舞台にネオナチと反ナチの陰の戦い。 あの戦争終結直前、日本人「青木」の体に埋めこまれたナチの印しとは? 二転三転、意外極まる結末へ… 壮大かつ緻密な仕掛けの長編推理ロマン……。 日本の作品にしては珍しいグローバルな視点での作品でしたね… かなりインパクトの強い解なのですが、あの男が画家志望だとを知っていれば、主人公の職業が画家という点で、真相に気付く読者も多いかもしれませんね、、、 荒唐無稽な展開ですが、これくらい大胆な展開の方が中途半端な展開よりも清々しい感じがして良いですね… 東と西の入れ替えや、父親の正体、ネオナチとユダヤ人の保護組織等、巧くミスリードさせられる展開も愉しめました。 視点が目まぐるしく変わるし、変わるタイミングが分かり難いので、今が誰の視点なのかちょっと戸惑いもありましたが、中盤以降は文体に慣れて意外とサクサク読めました… 最後の最後まで誰が真実を語り、誰が嘘をついているのか、疑心暗鬼の状態が継続する展開も好みでしたね、、、 1980年代の謀略が渦巻くヨーロッパ、冷戦時代のベルリンを舞台にした、恋愛あり、アクションあり、トリックありの本格スパイ小説… ヨーロッパの香りのする日本産のミステリ小説でした。 以下、主な登場人物です。 「青木優二」 画家、美術大学の講師 「エルザ・ロゼガー」 ベルリンからの留学生 「マイク・カールソン」 ニューヨークの清涼飲料水会社社員 「ソフィ・クレメール」 ガウアー強制収容所の生存者 「ブルーノ・ハウゼン」 東ベルリンから西ベルリンへ脱出した青年 「ホルスト・ギュンター」 東ドイツの元大物政治家 「エドワルト・ヘルカー」 ブルーノの世話をする男 「エディ・ジョシュア」 ユダヤ系の演劇青年 「マリー・ルグレーズ(マルト・リビー)」 元ナチス将校。「鉄釘のマルト」 「ハンス・ゲムリヒ」 元ナチス親衛隊 「野川桂子」 青木の生徒 「三上隆二」 リヨンの通訳の青年 「山崎三郎」 ベルリンの通訳の青年 「ニシオカ」 ベルリンの日本人商社マン 「リタ」 リオデジャネイロの娼婦
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
冒険小説、国際謀略小説の名作との誉が高いがいかがだろうか。 流石に30年以上前の作品なので、ベルリンの壁も健在で古さは拭えないが、昨今の世界的な右傾化を見ていると全くリアリティがないわけではない。 ロシアのウクライナ侵攻でも、ロシアがウクライナをネオナチ呼ばわりしている事(とんでもない錯誤と言うか言いがかりだと思うが)をとっても、ヨーロッパの人々にとっては今もリアリティがあるのだろう。 典型的な巻き込まれ方のストーリーで話は進むが、お話そのものは派手なアクションがあるわけでもなく淡々と進んでいく。大風呂敷を広げた割にはエンディングは尻すぼみの感がある。 大風呂敷を広げたついでに行くとこまで行った方が面白い物語になったかもしれない。 やはりこの手のお話は外国の作家さんの方が一日の長がある気がする。
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